「看護師の初任給って、いくらくらい?」 「大卒と専門卒で、どれくらい違うの?」
これから看護師として働き始める人や、就職先を選んでいる学生さんにとって、初任給は気になるポイントのひとつではないでしょうか。看護師の初任給は、ほかの職種と比べて高めといわれる一方で、手当の多さや手取りの額には注意が必要です。
この記事では、看護師の初任給について次のことをまとめました。
- 看護師の初任給の平均(基本給と給与総額)
- 大卒と専門卒の違い
- 初任給の手取りの目安
- 1年目の年収とボーナス
- 初任給だけで就職先を選ばないためのポイント
看護師の初任給の平均は約29万円
日本看護協会の「2025年病院看護実態調査」によると、2025年度の新卒看護師の初任給は次のとおりでした。
| 学歴 | 基本給 | 税込給与総額 |
|---|---|---|
| 高卒+3年課程(専門学校など) | 21万6,416円 | 28万5,078円 |
| 大卒 | 22万1,883円 | 29万2,527円 |
「税込給与総額」には、基本給に加えて夜勤手当や通勤手当、住宅手当などが含まれています。時間外手当(残業代)は含まれていません。この調査では、夜勤を3交代制なら月8回、2交代制なら月4回とした場合の金額で計算されています。
前年度と比べると、基本給は高卒+3年課程で6,719円、大卒で6,269円上がりました。ほかの業界と同じように、看護師の初任給も引き上げが続いています。
大卒と専門卒の初任給の違い
2025年度の調査では、大卒と高卒+3年課程の基本給の差は、月5,467円でした。給与総額でも7,449円の差で、思ったほど大きくないと感じる人も多いのではないでしょうか。
ただし、学歴による差は、昇給や役職の基準に影響する病院もあります。また、大卒では保健師の国家試験の受験資格を得られる課程もあるため、キャリアの選択肢に違いが出る可能性もあるでしょう。保健師との違いは、次の記事を参考にしてください。
関連記事:保健師と看護師の違いとは?役割・資格・仕事内容・給料を比較、どっちがいいかの考え方
看護師の初任給の手取りはいくら?
給与総額からは、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料と、所得税が差し引かれます。手取りは、給与総額のおよそ8割が目安です。
| 学歴 | 税込給与総額 | 手取りの目安 |
|---|---|---|
| 高卒+3年課程 | 28万5,078円 | 約22〜23万円 |
| 大卒 | 29万2,527円 | 約23〜24万円 |
1年目は前年の収入がないため、住民税は差し引かれないのが一般的です。住民税は2年目の6月ごろから天引きが始まるため、2年目は給料が上がっても手取りが減ったように感じることがあります。
最初の数か月は手取りが少ないことも
調査の給与総額は、夜勤に入っている前提での金額です。実際には、入職してしばらくは夜勤に入らず、日勤のみで研修を受ける病院が多くあります。そのため、最初の数か月は夜勤手当がつかず、手取りが20万円を下回ることも珍しくありません。
看護師1年目の年収とボーナス
1年目の年収は、月の給与にボーナスを加えた金額になります。ただし、1年目の夏のボーナスは算定期間に在籍していないため、寸志程度になることがほとんどです。冬のボーナスから、本格的に支給されるのが一般的でしょう。
ボーナスのしくみや平均額は、次の記事でくわしくまとめています。
関連記事:看護師のボーナスの平均はいくら?何か月分かと1年目が少ない理由、手取りの目安
勤続を重ねるとどれくらい上がるのかも気になるところです。同じ調査では、勤続10年(31〜32歳・非管理職)の看護師の基本給は25万4,286円、税込給与総額は34万278円でした。年代別の年収の目安は、次の記事を参考にしてください。
関連記事:看護師の平均年収はいくら?年代別・職場別の違いと年収を上げる方法を解説
初任給が高い病院の特徴
- 規模の大きい病院:大学病院や大規模な急性期病院は、基本給や手当が高めの傾向がある
- 都市部の病院:地域手当や住宅手当が手厚いことがある
- 夜勤回数が多い病院:夜勤手当の分だけ給与総額が上がる
一方で、給与総額が高く見えても、夜勤手当が多くを占めている場合があります。夜勤手当は夜勤に入った回数で変わるため、基本給がいくらなのかを必ず確認しておきましょう。
初任給だけで就職先を選ばないために
初任給は大切な条件ですが、それだけで就職先を決めると、入職後にギャップを感じることがあります。次の点もあわせて確認しておくのがおすすめです。
- 基本給と手当の内訳(夜勤手当が何回分で計算されているか)
- ボーナスの支給実績(何か月分か)
- 昇給の幅と、経験年数による給与の上がり方
- 新人教育の体制と、夜勤に入り始める時期
- 寮や住宅手当などの福利厚生
とくに1年目は、仕事を覚えることや生活リズムに慣れることで精いっぱいになりやすい時期です。給与だけでなく、安心して学べる環境かどうかも大切にしてください。1年目のつらさについては、次の記事でもまとめています。
関連記事:新人看護師が辞めたいと思ったら、1年目のつらさの理由と辞める前に考えること・相談先
看護師の初任給についてよくある質問
Q. 看護師の初任給はほかの職種より高いのですか? A. 看護師の初任給は、夜勤手当などを含めると一般的な大卒の初任給より高めになることが多いでしょう。ただし、基本給だけで比べると、大きな差がない場合もあります。
Q. 初任給はいつもらえますか? A. 病院によって違います。4月入職の場合、4月末や5月の給料日に支給されることが多いでしょう。締め日と支給日によっては、4月分の給与が満額にならないこともあるため、入職前に確認しておくと安心です。
Q. 准看護師の初任給はいくらですか? A. 准看護師は、看護師より初任給が低めに設定されている病院がほとんどです。看護師と准看護師の給与の違いは、次の記事を参考にしてください。
関連記事:看護師と准看護師の違いとは?資格・業務・給料を比較、准看護師から看護師になる方法も解説
まとめ
2025年度の看護師の初任給は、税込給与総額で大卒が約29万円、高卒+3年課程が約28.5万円でした。手取りは8割前後が目安ですが、夜勤に入る前の数か月は少なくなることがあります。
就職先を選ぶときは、初任給の金額だけでなく、基本給と手当の内訳やボーナス、教育体制まで比べてみてください。長く働ける職場を選ぶことが、結果的に収入アップにもつながります。