「看護師を辞めて、違う仕事なんてできるのかな」 「辞めたいけど、看護師しか経験がない自分に何ができるんだろう」
そんなふうに悩んでいませんか。わたしもそうでした。
はじめまして、ひなたです。新卒から約14年、同じ病院で看護師として働き、2024年12月に退職しました。今は一般企業でSEOコンサルタントとして、フルリモートで働いています。
この記事では、わたしが看護師を辞めて違う仕事に就くまでの流れを、迷った期間も含めて正直に書きます。
先にお伝えしておくと、わたしは転職サイトやエージェントを使わずに転職しました。副業から始めて、少しずつ仕事を移していった形です。誰にでも当てはまる道ではありませんが、「看護師を辞める前に、ほかの仕事を試してみる」という選択肢があることを知ってもらえたらうれしいです。
わたしの経歴|新卒から14年、同じ病院で働いた
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2011年3月 | 看護学校を卒業し、病院に就職。神経内科に配属 |
| — | 呼吸器内科・外科がメインの一般病棟へ異動 |
| 2016年 | 第1子を出産。子育てと夜勤の両立に悩み始める |
| 2017年ごろ | 看護師(常勤)を続けながら、副業を始める |
| 2022年4月 | 今の会社とライターとして業務委託契約 |
| — | 最後の部署は外来 |
| 2024年4月 | 師長に退職の意思を伝える |
| 2024年12月 | 病院を退職 |
| 2025年1月 | 今の会社に正社員として入社 |
病棟では3交代制で、多いときは月8回の夜勤がありました。そこに早番・遅番も入ります。
看護の仕事は好きでした。とくに、患者さんの表情や検査結果、症状から「今何が起きているのか」「緊急性は高いのか」をアセスメントすること。時間を逆算して、段取りよく動くことも好きでした。
辞めたいと思い始めたきっかけ|出産と夜勤
辞めたいと思い始めたのは、2016年に第1子を出産してからです。
夫は船乗りで、仕事に出ると数か月家に帰ってきません。夜勤に入るのが難しくなり、夜勤免除を申請したり、夫が休暇で家にいる期間に夜勤を入れたりして調整していました。
夜勤免除は制度として使えます。それでも、周りへの引け目はずっと消えませんでした。
もうひとつ、夜勤そのもののつらさもありました。仮眠をとっても異常な眠気に襲われることがあり、命を預かる立場として「このままで大丈夫だろうか」と危機感を抱いていました。
「職場を変える」か「看護師を辞める」かで7〜8年迷った
看護師を続けたまま、夜勤のない職場に移ることも考えました。クリニックや健診センターなら、日勤だけで働けます。
ただ、決めきれませんでした。
- 給料が下がるのではないかという不安
- 14年同じ病院にいたので、環境を変えること自体への不安
- 「辞めたい」と思いつつ、看護の仕事は嫌いではなかった
結局、出産から退職までの7〜8年、誰にも相談せずに悩み続けました。
長い時間でしたが、今振り返ると、あの期間はわたしにとって必要な時間だったと思っています。
転機は「副業」だった
悩みながらも、何もしなかったわけではありません。
コロナ前、「看護師をしながら在宅でも働く」という副業の話題をよく目にするようになりました。それに乗っかる形で、ブログとInstagramを始めました。クラウドワークスで小さな仕事を受けたりもしました。
いろいろな副業を調べる中で出会ったのが、ライターの仕事です。
始めたのは2017年ごろです。正直に言うと、最初は失敗ばかりでした。
それでも、看護師は常勤のまま、産休・育休の期間も含めて、少しずつ書く仕事を続けました。本業と育児があるので、朝4時ごろに起きて、副業と勉強の時間を確保していました。そのうちに、副業として軌道に乗っていきました。
ひとつ伝えたいのは、副業は半端な気持ちでは続かないということです。「楽して稼ごう」という気持ちで始めるのは、絶対におすすめしません。
業務委託から、ディレクター・コンサルへ
2022年4月、ライターとして今の会社と業務委託で仕事を始めました。
書く仕事を続けるうちに、ディレクター(記事の企画や進行管理)、さらにコンサル(企業のWeb集客の支援)の仕事も任せてもらえるようになりました。
正直なところ、このときの第一候補は「看護師として夜勤のない職場に移り、ライターは副業で続ける」でした。でも、ディレクターやコンサルの仕事をするうちに、この仕事を極めていくのも悪くないと思えるようになったんです。
これが、看護師を辞めると決めたいちばんのきっかけです。
退職を伝えてから辞めるまで8か月かかった
2024年4月、師長に退職の意思を伝えました。当初は半年後の秋ごろに辞めるつもりでしたが、実際に退職できたのは12月です。
何度か引き止められましたが、そのたびに「気持ちは変わりません」と伝えました。
退職理由は、ごまかさずに伝えました。
- 子育てをしながら働き続けるのが難しいこと
- 病院の経営が厳しく、数年後の見通しが持てないこと
勤めていた病院はずっと赤字が続いていて、数年後もこの病院が残っているという確信が持てなかったのも本音です。
約14年勤めた職場ですが、辞めるときに寂しさや罪悪感はあまりありませんでした。新しいことに挑戦するワクワクのほうが大きかったです。もちろん「この先大丈夫かな」という不安も、少しはありました。
関連記事:看護師の退職届の書き方|テンプレートと渡し方、円満に辞める手順
転職サイトもエージェントも使わなかった
2025年1月、業務委託で関わっていた会社に正社員として入社しました。
転職サイトやエージェントは使っていません。正社員になるときに改まった面接もなく、業務委託の期間に社長と仕事で話す機会が多かったことが、そのまま選考の代わりになったような形です。会社はスタートアップに近い規模です。
これは、正直かなりイレギュラーなケースだと思います。
副業で実績を作る時間が取れない人や、早く環境を変えたい人は、キャリアの専門家に相談するのも一つの方法です。
今の働き方|フルリモートのSEOコンサルタント
今は、SEOコンサルタントとして企業のWeb集客を支援しています。最近は、生成AIの検索結果への対策(GEO)にも取り組んでいます。プロジェクトリードとして、案件を前に進める役割が多いです。
- 働き方:フルリモート。東京への出張が年に1〜2回(2泊程度)
- 年収:看護師時代と比べて、約50万円上がりました
- 家庭:30代、男の子3人の子育て中。夫は船乗りで、数か月家を空けることもあります
フルリモートになっていちばん良かったのは、子どもが体調を崩したときや、小学生になって帰宅が早くなった時間に、家にいてあげられることです。とはいえ、家にいても仕事はしているので、いつもそばで見てあげられるわけではありません。
看護師の経験は、会社員の仕事でも活きている
看護師の経験は、病院の外でもそのまま活きています。
| 看護師の仕事 | 今の仕事 |
|---|---|
| 患者さんの状態をアセスメントする | 企業のWebサイトの課題を分析する |
| 時間を逆算して段取りよく動く | プロジェクトの進行を管理する |
| 複数の患者さんを同時に受け持つ | 複数の案件を並行して進める |
とくにアセスメントの考え方は、課題分析ととてもよく似ています。段取りの力は、プロジェクトを前に進める力として評価してもらえることが多いです。
看護師を辞めてよかった?後悔は?
よかったこと:外の世界を知れた
いちばん大きいのは、病院の外の世界を知れたことです。
新卒から辞めるまで、ひとつの病院しか知りませんでした。そこが自分の全てだったので、外に出て初めて、自分がどれだけ世間知らずだったかに気づきました。
後悔はない。でも「戻りたい」と思うことはある
辞めたことへの後悔は、まったくありません。
ただ、看護師に戻りたいと思うことはたまにあります。もし戻るとしたら、副業などで「ちょっとだけ戻る」形がいいなと思っています。看護師の資格は、辞めても消えません。
リモートワークの悩みもある
いいことばかりではありません。リモートワークは、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えがむずかしいです。
看護師を辞めるか迷っている人へ
最後に、7〜8年悩み続けたわたしから伝えたいことです。
悩んでいるなら、小さくてもいいので行動してみてください。
行動して後悔することもあると思います。でも、今の場所に残っても後悔することはあります。どちらを選んでも後悔の可能性があるなら、自分が選んだ道を正解にするつもりで一歩踏み出すほうがいいと、わたしは思っています。
一歩目は、辞めることでなくても大丈夫です。
- 看護師は続けたい人:夜勤のない職場など、働き方を変える
- ほかの仕事も試したい人:わたしのように、副業から始めてみる
- 何がしたいか分からない人:まずは誰かに話して、気持ちを整理する
どれを選んでも、遅すぎることはありません。
