「男性看護師って、実際どれくらいいるの?」 「男性が看護師になるのは、やめとけって本当?」
看護師を目指す男性や、病棟で数少ない男性として働いている人の中には、将来の働き方や職場での立場に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、男性看護師について次のことをまとめました。
- 男性看護師の人数と割合
- 男性看護師の年収
- 男性看護師が活躍しやすい職場
- 「やめとけ」と言われる理由と実際
- 男性看護師のキャリアと将来性
男性看護師の人数と割合
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、令和6年末時点で就業している看護師は136万3,142人でした。このうち男性は11万8,068人で、全体の8.7%にあたります。
看護師の10人に1人に満たない数ですが、男性看護師は少しずつ増えてきました。病棟によっては男性が複数いるのが当たり前になりつつあり、「男性看護師が珍しい」という時代は変わり始めています。
「看護士」から「看護師」へ
かつては、女性を「看護婦」、男性を「看護士」と呼んでいました。2002年に法律が改正され、男女ともに「看護師」という名称に統一されました。
男性看護師が少ない理由
男性看護師がまだ少ない背景には、次のような理由が考えられます。
- 「看護師は女性の仕事」というイメージが長く続いてきた
- 看護学校や病院の設備(更衣室や寮など)が女性向けに作られてきた
- 職場に男性の先輩が少なく、相談しにくいと感じる人がいる
最近では、男性向けの更衣室や仮眠室を整える病院も増えています。就職や転職の際は、見学で設備や男性スタッフの人数を確認しておくと、入職後のイメージがつかみやすくなるでしょう。
男性看護師の年収
令和5年の賃金構造基本統計調査をもとにした年収の目安では、男性看護師は約508万円、女性看護師は約487万円でした。男性のほうが20万円ほど高くなっています。
この差は、男性のほうが夜勤の回数が多かったり、出産や育児で働き方を変える人が少なかったりすることが影響しているのでしょう。看護師の給与は、基本的に性別ではなく、資格や経験年数、役職、夜勤の回数で決まります。看護師全体の年収については、次の記事を参考にしてください。
関連記事:看護師の平均年収はいくら?年代別・職場別の違いと年収を上げる方法を解説
男性看護師が活躍しやすい職場
| 職場 | 活躍しやすい理由 |
|---|---|
| 精神科 | 体格や力が必要な場面があり、男性スタッフが頼りにされやすい |
| 救急・ICU | 急変対応や体位変換など、体力を使う場面が多い |
| 手術室 | 機器の扱いや準備など、男性看護師も多く活躍している |
| 訪問看護 | 移動や入浴介助など、体力がいる業務がある |
| 整形外科・リハビリ | 移乗や歩行の介助が多い |
もちろん、どの職場でも男性看護師は活躍できます。体力面だけでなく、患者さんの中には「男性の看護師のほうが話しやすい」と感じる人もいるため、性別による強みは意外なところでも生かされるはずです。精神科の働き方については、次の記事も参考にしてください。
関連記事:精神科看護師とは?仕事内容・役割・向いている人、「病む」「レベル低い」と言われる理由も元看護師が解説
男性看護師は「やめとけ」と言われる理由
「男性看護師 やめとけ」と検索されることがありますが、その理由として次のような声がよく挙げられます。
- 女性が多い職場で、人間関係に気をつかう
- 女性の患者さんのケアで、担当を変えてもらう場面がある
- 力仕事や重症患者の担当を任されやすい
- 産婦人科など、働ける分野が一部限られる
たしかに、女性の患者さんの清拭や陰部のケアなどでは、患者さんの希望に合わせて女性看護師に交代する場面があります。また、助産師は法律で女性に限られているため、男性はなることができません。
とはいえ、こうした点は職場での役割分担で対応できることがほとんどです。チームで協力し合える職場なら、男性であることが大きな負担になることは少ないでしょう。
男性看護師のキャリアと将来性
男性看護師は、長く働き続けやすいことから、管理職を目指す人も少なくありません。主任や看護師長として病棟をまとめる男性看護師も増えています。
そのほか、次のようなキャリアも考えられます。
- 認定看護師や専門看護師などの資格を取り、専門分野を極める
- 特定行為研修を修了し、医師の手順書にもとづいて特定行為を行う
- 産業看護師や治験コーディネーターなど、病院以外で働く
- 看護教員として、次の世代を育てる
看護師は国家資格なので、景気に左右されにくく、全国どこでも働ける点も強みです。家族を支える立場になっても、安定した収入を得やすい仕事といえるでしょう。ほかの資格や仕事については、次の記事でもまとめています。
関連記事:看護師におすすめの資格、続ける人向け・看護師以外も考える人向けに分けて紹介
関連記事:看護師以外の仕事一覧、資格を活かす仕事・活かさない仕事と選び方
男性看護師についてよくある質問
Q. 男性看護師は就職で不利になりますか? A. 不利になることはほとんどありません。むしろ、男性スタッフを求めている病院もあります。病院の見学で、男性看護師の人数や更衣室などの設備を確認しておくと安心です。
Q. 男性看護師はどの診療科が多いですか? A. 精神科や救急、ICU、手術室などで多く見られる傾向です。ただし、どの診療科でも男性看護師は働いており、自分の興味に合わせて選べます。
Q. 男性看護師は結婚しにくいですか? A. 看護師であることが結婚に不利になるわけではありません。夜勤があると生活リズムが合わせにくい面はありますが、安定した国家資格の仕事として前向きにとらえる人も少なくありません。
まとめ
男性看護師は、看護師全体の8.7%と少数ですが、少しずつ増えています。体力を生かせる場面や、男性ならではの安心感を求められる場面もあり、さまざまな職場で活躍中です。
「やめとけ」という声には、女性が多い職場ならではの悩みが含まれています。ただ、職場の雰囲気や設備をよく確認すれば、男性でも長く働き続けやすい仕事です。自分に合った分野を見つけて、キャリアを広げていってください。