「看護師以外の仕事がしたい。でも、何があるのか分からない」 「看護師資格を手放すのはもったいない気もする」
そんなふうに迷っていませんか。
わたしは新卒から約14年、同じ病院で看護師として働き、2024年12月に退職しました。今は一般企業で、フルリモートのSEOコンサルタントとして働いています。
この記事では、看護師以外の仕事を「看護師資格を活かす仕事」と「資格を使わない仕事」に分けて一覧にし、自分に合う仕事の選び方と進め方をまとめました。
先に結論を書くと、選ぶときに大切なのは次の2つです。
- 辞めたい理由が「看護の仕事」なのか「今の職場・働き方」なのかを分けること
- いきなり辞めずに、在職中に情報を集めたり、副業で試したりしてから決めること
わたしが看護師を辞めるまでの流れは体験談の記事に、一般企業への転職の進め方は別の記事にまとめています。この記事では「どんな仕事があって、どう選ぶか」に絞って解説します。
看護師以外の仕事がしたいと思ったら、まず整理したいこと
ほかの仕事を探す前に、「なぜ看護師以外の仕事がしたいのか」を整理しておくと、選択肢をしぼりやすくなります。
| 辞めたい理由 | 考えられる方向 |
|---|---|
| 夜勤や不規則な勤務がつらい | 日勤のみの看護職、または看護師以外の職種 |
| 人間関係がつらい | 職場を変える、または職種を変える |
| 命を預かる責任やプレッシャーが重い | 患者さんと直接関わらない職種 |
| 看護の仕事そのものに興味が持てない | 資格を使わない職種も含めて検討 |
| 子育てや介護と両立したい | 日勤・時短・在宅でできる仕事 |
理由が「夜勤」や「人間関係」なら、看護師は続けたまま職場を変えるだけで解決することもあります。反対に、看護の仕事そのものから離れたいなら、看護師以外の職種を考えてよいタイミングかもしれません。
わたしの場合、看護の仕事は嫌いではありませんでした。辞めたいと思い始めたきっかけは、2016年に第1子を出産してからの、子育てと夜勤の両立です。夜勤免除を申請できても、周りへの引け目がずっと消えませんでした。
見分け方は、こちらの記事でも詳しく書いています。
関連記事:看護師を辞めたい人へ|14年働いた元看護師が「続ける・辞める」の判断軸を解説
看護師資格を活かせる看護師以外の仕事一覧
まずは、看護師免許や臨床経験を活かせる職種です。医療の知識がそのまま武器になるので、未経験の業界に移るよりも転職活動を進めやすい傾向があります。
| 仕事 | 主な仕事内容 | 必要な資格・経験の目安 |
|---|---|---|
| 保健師 | 自治体や企業で、住民・社員の健康管理や保健指導を行う | 保健師の国家試験に合格して免許を受ける |
| 助産師 | 出産の介助、妊産婦や新生児のケア | 助産師の国家試験に合格して免許を受ける |
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | 介護が必要な人のケアプランを作成し、サービスを調整する | 実務経験を満たしたうえで試験に合格し、研修を修了する |
| 治験コーディネーター(CRC) | 医療機関で、治験に参加する患者さんの対応や医師の補助を行う | 看護師の臨床経験が評価されやすい |
| 臨床開発モニター(CRA) | 製薬会社などの立場で、治験が計画どおり進んでいるかをチェックする | 医療の知識と書類作成のスキル |
| 医療機器メーカーの専門職 | 医療機器の使い方を医師や看護師に説明し、現場をサポートする | 診療科での臨床経験が活きる |
| 医療系コールセンター | 健康相談の電話に応じ、受診の目安などを案内する | 臨床経験を求める求人が多い |
| 看護学校の教員 | 看護学生への講義や実習の指導 | 臨床経験(条件は学校や求人によって異なる) |
| 養護教諭 | 学校の保健室で、子どもの健康管理やけがの対応を行う | 看護師免許とは別に、養護教諭の免許状が必要 |
保健師と助産師は、どちらも看護師の国家試験とは別に、それぞれの国家試験に合格する必要があります。
学校で働く教育職員は、その職に合った免許状を持っていることが法律で定められています。養護教諭も同じです。
ケアマネジャーの試験は、看護師などの資格に基づく業務の実務経験が「5年以上かつ900日以上」あることが受験資格の一つです。実施は都道府県ごとなので、受験する地域の要領を確認してください。
※出典:大阪府「第29回大阪府介護支援専門員実務研修受講試験のお知らせ」
看護師として病院以外で働くという道もある
「看護師以外の仕事」と考えていても、実は「病院の働き方が合わないだけ」という人もいます。クリニック、健診センター、企業の健康管理室(産業看護師)、保育園、介護施設などは、看護師として働きながら夜勤のない勤務を選びやすい職場です。
関連記事:看護師が夜勤なしで働くと年収はどう変わる?夜勤手当の差と日勤のみの職場
看護師資格を使わない仕事一覧
看護の仕事から離れたい人向けに、看護師資格を使わない職種もまとめます。未経験からのスタートになることが多いので、最初は収入が下がる可能性も考えておきましょう。
| 仕事 | 看護師の経験が活きるところ |
|---|---|
| 一般事務・医療事務 | 正確さ、記録を残す習慣、医療用語の知識(医療事務の場合) |
| 営業職 | 相手の話を聞いて課題をつかむ力、説明する力 |
| 販売・接客 | 人と話すこと、相手の様子に気づく力 |
| 美容部員・エステティシャン | 肌や体についての知識、相手に合わせた接し方 |
| 医療・人材系の企業 | 医療現場を知っていることそのもの |
| Webライター・Webマーケティング | 医療・健康分野の知識、調べて分かりやすく伝える力 |
| 保育補助・子ども関連の仕事 | 子どもの体調の変化に気づく力 |
一般企業の仕事の種類や、求人の探し方、応募書類の書き方は、こちらの記事にまとめています。
関連記事:看護師から一般企業へ転職するには|仕事の種類・求人の探し方・後悔しない進め方
看護師の経験は、看護師以外の仕事でも活きる
「看護師の経験しかない自分に、ほかの仕事ができるのか」と不安になる人は多いと思います。でも、看護師として現場で身につけたスキルは、職種が変わっても役に立ちます。
| 看護師のスキル | ほかの仕事での活かし方 |
|---|---|
| アセスメント(情報から状態を判断する力) | 課題分析、問題の原因探し |
| 段取り・時間管理 | プロジェクトやタスクの進行管理 |
| 報告・連絡・相談 | チームでの情報共有 |
| 患者さんや家族とのコミュニケーション | 顧客対応、ヒアリング |
| 記録を正確に残す習慣 | 書類やレポートの作成 |
| 医療・健康の知識 | 医療・健康分野の企業での仕事 |
わたしは今、SEOコンサルタントとして企業を支援しながら、プロジェクトを進める役割も担っています。患者さんの表情や検査結果から「今何が起きているか」を判断していたアセスメントの考え方は、企業の課題分析とよく似ています。段取りの力は、プロジェクトを進める力として褒めてもらえることがあります。
看護師時代は当たり前にしていたことでも、ほかの職場では強みになることがあります。
自分に合う看護師以外の仕事の選び方
一覧を見て気になる仕事が見つかったら、次の4つの軸で比べてみてください。
1. 資格を活かすか、手放すか
医療の知識を使い続けたいなら、資格を活かせる仕事が向いています。看護の分野から離れたいなら、資格を使わない仕事も選択肢です。看護師免許は辞めても消えないので、「いったん離れて、また戻る」こともできます。
2. 収入をどこまで優先するか
夜勤手当がなくなると、手取りが変わることがあります。未経験の職種では、最初の給料が看護師時代より低くなることもあります。生活費や家計の状況と照らして、許容できる範囲を決めておきましょう。
わたしは年収が上がりましたが、これは職種や会社によって大きく違うので、求人ごとに確認してください。
3. どんな働き方をしたいか
日勤のみ、土日休み、時短勤務、在宅勤務など、希望する働き方を先に決めておくと、求人を選びやすくなります。
わたしはフルリモートで働いているので、子どもが体調を崩したときや、学校から早く帰ってくる時間に家にいてあげられます。ただ、家にいても仕事中なので、いつも子どもを見てあげられるわけではありません。オン・オフの切り替えがつけにくいという悩みもあります。
4. 資格取得や勉強にかけられる時間があるか
保健師や助産師、ケアマネジャーは、試験や研修が必要です。未経験の職種でも、仕事に慣れるまでの勉強は欠かせません。今の勤務を続けながら、どのくらい時間を作れるかも考えておきましょう。
看護師以外の仕事に移るメリット・デメリット
メリット
- 夜勤がない、または少ない職場を選びやすい
- 生活リズムが整い、体への負担が減りやすい
- 命を預かる立場とは違う形で、精神的なプレッシャーが変わる
- 病院の外の世界を知り、キャリアの選択肢が広がる
わたしにとって一番大きかったのは、病院の外に出て「自分は世間知らずだった」と気づけたことです。新卒から一つの病院しか知らず、そこが全てでした。
デメリット
- 一般的に、未経験の職種では収入が下がる可能性がある
- 臨床の現場から離れると、技術や最新の知識にブランクができる
- 新しい業界の仕事の進め方やルールを、一から覚える必要がある
- 「やっぱり看護師に戻りたい」と思うことがある
わたし自身、後悔はしていませんが、看護師に戻りたいと思うことはたまにあります。戻るとしても、副業などで「ちょっとだけ戻る」形がいいと考えています。
後悔しないための進め方
在職中に情報を集める
辞めてから探すと、収入が途切れる焦りから、合わない職場を選んでしまうことがあります。できるだけ、看護師として勤務しているうちに求人や仕事内容を調べておきましょう。
副業で試してから決める
「本当にその仕事が合うのか分からない」なら、看護師を続けながら副業で試す方法があります。
わたしはこの方法でした。
- 2017年ごろ、看護師(常勤)を続けながら、ブログやInstagram、クラウドワークスで副業を始める
- いろいろ調べる中でライターの仕事に出会う。最初は失敗ばかりだった
- 育児と本業があるので、朝4時ごろに起きて副業と勉強の時間を作っていた
- 2022年4月、ライターとして業務委託で関わった会社で、ディレクターやコンサルの仕事も任せてもらう
- 2024年12月に病院を退職し、2025年1月にその会社へ正社員として入社
辞める前は、「看護師として別の職場に転職して、副業のライターを続ける」ことが第一候補でした。ディレクターやコンサルの仕事を経験する中で、「ここを極めていくのも悪くない」と思えたことが、看護師以外の道を選んだきっかけです。
ただ、副業は半端な気持ちでは続きません。「楽して稼げる」と思って始めるのは、おすすめしません。
関連記事:看護師におすすめの副業|資格を活かす仕事・在宅でできる仕事と始める前の注意点
専門家に相談して、職場の情報を集める
わたしは転職サイトやエージェントを使わずに今の会社に入りましたが、これは副業から業務委託、正社員と進んだ、少し特殊なケースです。早く動きたい人や、自分で求人を比べるのが大変な人は、転職サービスで話を聞く方法もあります。
ひなたの友人(看護師)は、もともと転職エージェントには否定的でしたが、いくつか登録して話を聞きました。担当者との相性が大事だと感じたそうです。訪問看護と外来で迷っていましたが、いろいろな職場の話を聞く中で、子育てとの両立を考えて、オンコールのない病院の外来に決めました。いろいろな職場の話を聞けたことが、すごくよかったと話していました。
友人のように、看護師を続けるか迷っている段階で話を聞くことで、自分に合う働き方が見えてくることもあります。
よくある質問
Q. 看護師資格で、看護師以外の仕事は何がありますか? A. 保健師、助産師、ケアマネジャー、治験コーディネーター、臨床開発モニター、医療機器メーカーの専門職、医療系コールセンター、看護学校の教員などがあります。保健師・助産師・ケアマネジャーは、別の試験や研修が必要です。
Q. 看護師以外の仕事がしたいけれど、やりたいことが分かりません。 A. まずは「何がつらいのか」と「何が好きだったのか」を書き出してみてください。患者さんと話すことが好きなら接客や営業、段取りが好きなら事務や進行管理など、好きだったことから仕事を探す方法もあります。
Q. 看護師から別の職種に移ると、給料は下がりますか? A. 職種や会社によって違います。未経験の職種では、最初は下がることもあります。求人の給与条件と、夜勤手当がなくなった場合の差を比べてから判断しましょう。
Q. 看護師から別の職種に応募するとき、面接では何を伝えればいいですか? A. 看護師として身につけたスキルを、応募する仕事に合わせて言い換えて伝えるのがおすすめです。たとえば「患者さんの状態を判断する力」は「情報を整理して課題を見つける力」と言い換えられます。辞めた理由は、前向きな表現で伝えましょう。
Q. 一度看護師を辞めても、また戻れますか? A. 看護師免許は辞めても消えないので、看護師として働くことはできます。ただ、ブランクの長さによっては不安を感じることもあるので、復職支援の研修などを利用する方法もあります。
まとめ
- 看護師以外の仕事は、「看護師資格を活かす仕事」と「資格を使わない仕事」に分けて考えると選びやすい
- 保健師・助産師・ケアマネジャーなどは、別の試験や研修が必要
- 辞めたい理由が「職場」なら、看護師のまま病院以外で働く道もある
- 看護師の経験は、課題分析や段取りなど、ほかの職種でも活きる
- いきなり辞めず、在職中に情報を集めたり、副業で試したりしてから決めると安心
わたしは7〜8年悩んでから看護師以外の道を選びましたが、今振り返ると、あの期間も必要な時間だったと思っています。行動して後悔することもあるかもしれません。でも、残っても後悔することはあります。自分が選んだ道を正解にするつもりで、一歩踏み出してみてください。
わたしが看護師を辞めるまでの詳しい流れは、こちらの記事に書いています。