「夜勤がなくて、落ち着いて働ける職場を探している」 「デイサービスの看護師って、どんな仕事をするんだろう」
日勤のみの働き方を探していると、デイサービスの看護師の求人をよく見かけます。病院とは環境が大きく違うため、仕事内容や「看護師として何ができるのか」が気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、元看護師の目線で、デイサービスで働く看護師について次のことをまとめました。
- デイサービスの看護師の役割と、配置のルール
- 仕事内容と1日の流れ
- できる医療行為・できないこと(爪切りなど)
- 給料の考え方と、メリット・デメリット
- 向いている人と、求人を選ぶときのチェックポイント
デイサービスの看護師とは|利用者さんの健康を日中に支える看護師
デイサービス(通所介護)は、要介護の高齢者などが日帰りで通い、入浴や食事、機能訓練、レクリエーションなどを受ける介護サービスです。そこで働く看護師は、利用者さんが安全に一日を過ごせるよう、健康状態を確認して支える役割を担います。
病院のように治療をする場ではなく、利用者さんの多くは自宅で生活している人たち。病気や障がいがあっても、その人らしい暮らしを続けられるよう支えることが、デイサービスの看護師に求められます。
デイサービスとデイケアの違い
| 項目 | デイサービス(通所介護) | デイケア(通所リハビリテーション) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 日常生活の支援、入浴・食事、機能訓練、交流 | 医師の指示にもとづくリハビリテーション |
| 医師の配置 | 配置の義務はない | 医師の配置が必要 |
| 主な職員 | 介護職員、看護職員、生活相談員、機能訓練指導員など | 医師、理学療法士・作業療法士、看護職員、介護職員など |
デイサービスには医師がいないため、看護師が医療の視点を持つ数少ない職員になることが多い点が、大きな特徴です。
デイサービスに看護師は必要?配置のルール
通所介護の人員基準では、利用定員が11人以上の事業所に、看護職員(看護師・准看護師)を配置することが定められています。ただし、看護職員はサービスを提供している時間帯を通じて専従である必要はなく、事業所と密接に連携していればよいという扱いです。
2015年4月からは、病院や診療所、訪問看護ステーションと連携し、そこの看護職員が営業日ごとに事業所で利用者さんの健康状態の確認を行うことで、看護職員を確保しているとみなす扱いも認められています。
このため、デイサービスの看護師の働き方は、一日を通して事業所にいる形もあれば、健康チェックの時間帯を中心に勤務する短時間の形もあります。求人を見るときは、勤務時間と業務の範囲を確認しておきましょう。
参考:沖縄県「通所介護における看護職員の配置基準について」(PDF)
デイサービスの看護師の仕事内容
| 仕事 | 主な内容 |
|---|---|
| 健康チェック | 来所時の体温・血圧・脈拍などの測定、表情や様子の観察、入浴できるかの判断 |
| 服薬の確認 | 持参した薬の確認、飲み忘れや飲み間違いがないかの確認 |
| 処置 | 主治医の指示にもとづく軟膏の塗布、傷の手当て、褥瘡のケアなど |
| 急変時の対応 | 体調が急に変わったときの初期対応、家族や主治医への連絡、救急要請の判断 |
| 機能訓練の補助 | 看護師が機能訓練指導員を兼ねる事業所では、体操や訓練の計画・実施 |
| 介護・レクの補助 | 入浴や食事、送迎、レクリエーションなど、介護職員と一緒に行う業務 |
| 記録・連絡 | 健康状態の記録、家族やケアマネジャーへの報告 |
事業所によっては、介護の業務や送迎、レクリエーションに関わる割合が大きいことも。応募前に、看護業務と介護業務の割合を聞いておくと、入職後のギャップを減らせます。
デイサービスの看護師の1日の流れ(例)
| 時間 | 仕事の例 |
|---|---|
| 8:30 | 出勤。その日の利用者さんの情報を確認、朝のミーティング |
| 9:00 | 送迎で到着した利用者さんの健康チェック(バイタル測定・観察) |
| 10:00 | 入浴の可否の判断、入浴後の皮膚の観察や処置 |
| 12:00 | 昼食の見守り、食後の服薬の確認 |
| 13:00 | 体操やレクリエーションの補助、体調の変化の観察 |
| 15:00 | おやつの見守り、帰る前の健康チェック |
| 16:30 | 利用者さんの送り出し、記録、家族やケアマネジャーへの連絡 |
| 17:30 | 退勤 |
デイサービスの看護師ができること・できないこと
デイサービスには医師がいないため、看護師が行える医療的なケアには限りがあります。看護師が診療の補助として医療行為を行うには、医師の指示が必要です。デイサービスでは、利用者さんの主治医からの指示にもとづいてケアを行います。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 看護師が行うことが多いもの | 健康状態の観察、服薬の確認、主治医の指示にもとづく処置(褥瘡のケア、軟膏の塗布など)、急変時の初期対応 |
| 医師の指示がないとできないもの | 新たな薬の判断、医師の指示のない注射や点滴、診断にあたる判断 |
| 看護師でなくてもできるもの | 体温・血圧の測定、一定の条件を満たす爪切りなど、医行為にあたらないとされているケア |
爪切りは看護師がしないといけない?
「デイサービスの爪切りは看護師がするもの?」という疑問もよく見られます。厚生労働省の通知では、爪そのものに異常がなく、爪の周りの皮膚にも化膿や炎症がなく、糖尿病などで専門的な管理が必要でない場合の爪切りや爪やすりがけは、原則として医行為ではないという位置づけです。
つまり、こうした条件を満たす場合は、介護職員も爪切りを行うことができます。一方で、巻き爪や爪の周りに炎症がある場合、糖尿病などで注意が必要な場合は、看護師が判断して対応したり、受診をすすめたりする必要があるでしょう。
参考:厚生労働省医政局長通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日、旭川市掲載のPDF)
デイサービスの看護師の給料の考え方
デイサービスの看護師の給与は、運営する法人の給与体系で決まります。夜勤がないため、病棟で夜勤をしていた人は、夜勤手当の分だけ収入が下がることが多いでしょう。
一方で、パートの求人が多く、勤務日数や時間を選びやすいのは大きな魅力。求人を比べるときは、時給や月給だけでなく、送迎業務の有無や、機能訓練指導員を兼ねる場合の手当なども確認しておきましょう。
関連記事:看護師が夜勤なしで働くと年収はどう変わる?夜勤手当の差と日勤のみの職場
デイサービスで働くメリット・デメリット
メリット
- 夜勤がなく、日曜が休みの事業所が多い:営業時間が決まっているため、残業も比較的少なめです
- 利用者さんとじっくり関われる:同じ利用者さんが定期的に通ってくるため、長い目で関係を築けます
- 子育てやブランク明けでも始めやすい:パート勤務の求人が多く、医療処置も比較的少ない職場です
- 生活を支える看護を経験できる:病気だけでなく、暮らし全体を見る視点が身につきます
デメリット
- 看護師が1人だけのことが多い:判断に迷ったときに、すぐ相談できる看護職がいない場合があります
- 医療処置の技術から離れやすい:病院に戻るときに、技術面で不安を感じることがあります
- 介護業務の割合が大きいことがある:入浴介助や送迎など、体力を使う業務を担当する事業所もあります
- 収入が下がることがある:夜勤手当がなくなるほか、パート勤務では収入が限られます
デイサービスの看護師が「大変」「使えない」と言われる理由
「デイサービス 看護師 使えない」といった検索が見られるのは、看護師と介護職員の役割の違いから、すれ違いが起きやすいことが背景にあると考えられます。
- 役割があいまいになりやすい:看護業務と介護業務の線引きが事業所によって違い、期待と実際の動きにずれが出ることがあります
- 医療の判断と介護の現場感覚の違い:入浴の可否などの判断で、看護師の慎重な判断が現場の流れと合わないと感じられることもあります
- 1人で判断する責任の重さ:医師がいない中で急変に対応する場面では、看護師自身も大きなプレッシャーを感じます
入職するときに、看護師に期待されている役割を確認し、介護職員と日ごろから情報を共有しておくことが、働きやすさにつながります。判断の根拠を言葉で伝える習慣も、チームの信頼を得る助けになるでしょう。
関連記事:急性期ケア専門士とは?意味ない・加算はとれる?受験資格・合格率・メリットを元看護師が解説
デイサービスの看護師に向いている人
- 高齢者と話すのが好きで、ゆっくり関わりたい人
- 介護職員など、多職種と協力しながら働ける人
- 利用者さんの小さな変化に気づける観察力がある人
- 医師がいない中でも、落ち着いて判断し、必要なときに受診や救急につなげられる人
- 夜勤のない働き方で、生活リズムを整えたい人
子育て中の人やブランク明けの人にとっては、働き方の選択肢になりやすい職場です。両立の方法は、次の記事も参考にしてください。
関連記事:看護師が子育てと両立する方法|使える制度と働き方の選び方を元看護師が解説
デイサービスの求人を選ぶときのチェックリスト
- ☐ 看護職員は何人いるか(1人体制かどうか)
- ☐ 勤務時間(終日か、健康チェックの時間帯中心か)
- ☐ 看護業務と介護業務(入浴介助・送迎・レク)の割合
- ☐ 機能訓練指導員を兼ねるかどうか、その場合の手当
- ☐ 急変時の対応手順と、相談できる連携先(協力医療機関など)
- ☐ 利用者さんの層(要介護度、医療的なケアが必要な人の多さ)
- ☐ 給与の内訳と、パート・常勤の条件
可能であれば見学をして、看護師がどのような動きをしているかを見ておくと安心です。
関連記事:看護師が転職で失敗しないために|よくある失敗例と転職前に確認したいこと
よくある質問
Q. デイサービスで看護師しかできないことは何ですか? A. 主治医の指示にもとづく処置や、医療的な観点からの健康状態の判断、急変時の初期対応などは、看護師が中心となって担う業務です。体温や血圧の測定、一定の条件を満たす爪切りなどは、介護職員も行えます。
Q. デイサービスに看護師がいないとどうなりますか? A. 利用定員が11人以上の事業所では、看護職員の配置が基準で求められているのが原則です。基準どおりに配置できない場合は人員基準を満たさないことになり、介護報酬が減算される仕組みがあります。
Q. デイサービスの看護師は大変ですか? A. 夜勤がない分、体力的な負担は病棟より軽く感じる人が多い一方で、看護師が1人だけの職場では、判断を一人で背負う大変さがあります。入職前に、急変時の対応手順や連携先を確認しておくと安心です。
Q. デイサービスの看護師はブランクがあっても働けますか? A. ブランクがあっても応募できる求人は多くあります。医療処置は病院より少ない傾向ですが、急変時の対応は求められるため、救命講習などで知識を確認しておくと自信につながるでしょう。
Q. デイサービスとデイケア、看護師の働き方は違いますか? A. デイケアには医師が配置され、リハビリが中心です。デイサービスには医師がいないため、看護師が医療の視点を持つ職員として、健康管理や急変時の判断を担う場面が多くなります。
まとめ
- デイサービスの看護師は、利用者さんの健康状態を確認し、日中の安全を支える役割を担う
- 利用定員11人以上の事業所には看護職員の配置が必要で、短時間勤務の働き方もある
- 医師がいないため、医療行為は主治医の指示にもとづいて行う。条件を満たす爪切りは医行為にあたらない
- 夜勤がなくパート勤務も多い一方で、1人で判断する責任や収入面の変化もある
- 求人を選ぶときは、看護師の人数や介護業務の割合、急変時の体制を確認する
デイサービスの看護師は、利用者さんの「その人らしい暮らし」を、医療の視点から支えられる仕事です。夜勤のない働き方を考えている人は、ほかの職場とも比べながら検討してみてください。