「看護師の転職でも、職務経歴書って必要なの?」 「病棟の仕事を、どう書けば伝わるのかわからない」
初めての転職では、職務経歴書の書き方で手が止まってしまう人も多いはず。履歴書と違って決まった様式がないため、何をどこまで書けばいいのか迷いやすい書類です。
この記事では、職務経歴書の基本と、看護師ならではの書き方のコツを、記入例とあわせて紹介します。
- 職務経歴書と履歴書の違い
- 職務経歴書に書く6つの項目と記入例
- 看護師の経験を伝わる形にするコツ
- 転職回数が多い・ブランクがあるときの書き方
- 応募先別(病院・クリニック・一般企業)の書き分け
看護師の転職に職務経歴書は必要?
病院によっては履歴書だけで応募できるところもありますが、職務経歴書の提出を求める職場も少なくありません。求められていなくても、用意しておくと経験を具体的に伝えられるため、作っておいて損はないでしょう。
とくにクリニックや美容クリニック、一般企業では、即戦力かどうかを判断するために職務経歴書を重視する傾向があります。
職務経歴書と履歴書の違い
| 書類 | 役割 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 履歴書 | 応募者の基本情報を伝える | 氏名・連絡先、学歴・職歴、免許・資格、志望動機など |
| 職務経歴書 | これまでの仕事の中身と、強みを伝える | どの職場でどんな業務を担当し、何ができるのか、どう活かせるのか |
履歴書の職歴欄には「◯◯病院 入職」「◯◯病院 退職」のように事実だけを書きます。その職場で何をしてきたのかを詳しく伝えるのが職務経歴書だと考えるとわかりやすいでしょう。
職務経歴書の基本ルール
- A4用紙1〜2枚にまとめる:長すぎると読みにくくなります。経験が長い人も2枚程度に収めましょう
- パソコンで作るのが一般的:手書きでも問題はありませんが、読みやすさや修正のしやすさを考えるとパソコンが便利です
- 箇条書きを活用する:文章だけで書くより、業務内容は箇条書きにすると読みやすくなります
- 履歴書と内容をそろえる:入職・退職の年月や職場名が、履歴書と食い違わないようにします
- 日付は提出日にする:作成日ではなく、提出する日(郵送の場合は投函日)を書くのが一般的です
パソコンがない場合は、スマホのWordやGoogleドキュメントのアプリでも作成できます。看護師向けの転職サイトの多くがテンプレートを公開しているので、それを使うのも一つの方法です。
職務経歴書に書く6つの項目
職務経歴書には決まった様式はありませんが、看護師の場合は次の6つの項目で構成するのが基本です。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 1. タイトル・日付・氏名 | 「職務経歴書」というタイトル、提出日、氏名 |
| 2. 職務要約 | これまでの経歴を3〜5行程度にまとめたもの |
| 3. 職務経歴 | 勤務先ごとの在籍期間、病床数や診療科、担当業務 |
| 4. 活かせる経験・スキル | 応募先で役立つ経験や技術 |
| 5. 免許・資格 | 看護師免許、認定資格、研修の修了など |
| 6. 自己PR | 強みと、それを応募先でどう活かすか |
1. タイトル・日付・氏名
1行目の中央に「職務経歴書」と書き、その下の右側に提出日と氏名を入れます。日付は和暦・西暦のどちらでもかまいませんが、履歴書とそろえておきましょう。
2. 職務要約
職務要約は、採用担当者が最初に目を通す部分です。何年間、どんな職場で、どんな看護をしてきたのかを短くまとめます。
記入例
看護師免許取得後、◯◯病院(急性期・400床)に入職し、内科病棟で約6年間、一般病棟の看護業務に従事しました。病棟ではリーダー業務やプリセプターを担当し、新人教育にも関わっています。2021年からは外来に異動し、検査の補助や患者さんへの説明を担当しています。
3. 職務経歴
勤務先ごとに、在籍期間、病院の種類や病床数、配属先、担当した業務を書いていきましょう。病院名だけでは規模や特徴が伝わらないため、病床数・診療科・看護体制などを添えると、応募先がイメージしやすくなります。
| 期間 | 勤務先・業務内容 |
|---|---|
| 2015年4月〜2021年3月 | ◯◯病院(急性期一般病院・400床/看護配置7対1) 内科病棟(40床・消化器内科、呼吸器内科) ・入院患者の日常生活援助、検査・処置の介助 ・リーダー業務(2018年〜) ・プリセプター(2019年度、2020年度) ・感染対策委員 |
| 2021年4月〜現在 | ◯◯病院 外来(内科・外科) ・診察の補助、採血・点滴 ・内視鏡検査の介助 ・患者さんや家族への検査・治療の説明 |
※上の表は記入例です。実際の勤務先の情報に合わせて書き換えてください。
業務内容は、すべてを書き出すよりも、応募先で役立つものを中心に選ぶのがコツ。委員会活動や教育担当などの役割も、立派なアピール材料になります。
4. 活かせる経験・スキル
応募先の仕事で役立つ経験や技術は、箇条書きで書くのが基本です。
- 採血、点滴、静脈注射の経験(年間◯件程度など、わかる範囲で数字を入れる)
- 内視鏡検査の介助
- 新人看護師の指導(プリセプター2年)
- 電子カルテの使用経験
5. 免許・資格
看護師免許は、取得した年月と正式名称(「看護師免許」)で書きます。認定資格や、BLSなどの研修の修了も、応募先に関係があれば書いておきましょう。
6. 自己PR
自己PRでは、強みを1〜2つにしぼり、その強みが表れた具体的なエピソードと、応募先でどう活かしたいかをセットで書きます。文字数は200〜300字程度が目安になります。
記入例
内科病棟でのリーダー業務を通して、患者さんの状態の変化をとらえ、優先順位をつけて動く力を身につけました。業務が重なる場面でも、チームで情報を共有し、必要な処置を遅らせないよう調整してきました。貴院の外来でも、限られた時間の中で患者さん一人ひとりの状態に目を配り、安全でスムーズな診療を支えたいと考えています。
看護師の経験を「伝わる職務経歴書」にするコツ
数字を入れて具体的にする
「急性期病棟で勤務」だけでは、どのくらいの規模で、どんな忙しさだったのかが伝わりません。病床数、担当していた患者数、経験年数、指導した新人の人数など、数字で表せるものは数字で書くと説得力が増します。
役割や取り組みも書く
リーダー業務、プリセプター、委員会活動、業務改善の取り組みなどは、看護の技術以外の力を示す材料になります。「マニュアルの見直しに関わった」「インシデントの再発防止策を提案した」といった経験も、具体的に書いておきましょう。
病院の中だけで通じる言葉を言い換える
一般企業や、診療科の違う職場に応募するときは、病棟の略語や専門用語がそのままでは伝わらないことも。「受け持ち」「申し送り」なども、必要に応じて「担当患者◯名の看護計画の立案と実施」「勤務交代時の情報共有」のように言い換えると親切です。
応募先に合わせて書き直す
同じ職務経歴書を、すべての応募先に使い回すのはおすすめしません。応募先の求人内容を読み、求められている経験が目に入りやすい順番に並べ替えるだけでも、印象は変わります。
転職回数が多い・ブランクがあるときの書き方
転職回数が多い場合
勤務先が多い場合は、すべてを同じ分量で書く必要はありません。直近の職場や、応募先に関係の深い職場を詳しく書き、ほかは期間と勤務先、主な業務を簡潔にまとめましょう。
職務経歴書に退職理由を書く必要は、基本的にありません。面接で聞かれたときに、前向きに説明できるよう準備しておくと安心です。
関連記事:看護師の退職理由の伝え方|師長・退職届・面接で書き分ける例文と本音の伝え方
ブランクがある場合
ブランクの期間を隠す必要はありません。育児や介護などの理由を簡潔に書き、その間に学んだことや、復職に向けて準備していること(研修の受講など)があれば、あわせて書くのがおすすめです。
応募先別に意識したいポイント
| 応募先 | 意識したいポイント |
|---|---|
| 病院(病棟) | 配属先の診療科や看護体制、リーダーや教育の経験を中心に書く |
| クリニック | 外来の経験や、採血・点滴などの技術、患者さんへの説明の経験を目立たせる |
| 訪問看護・介護施設 | 急変時の対応や、利用者さん・家族とのコミュニケーション、多職種との連携の経験を書く |
| 一般企業 | 専門用語を減らし、調整力・指導経験・パソコンスキルなど、職種を問わず通じる強みを書く |
志望動機は、職務経歴書ではなく履歴書や面接で伝えることが多い項目です。書き方は次の記事で、職場別の例文とあわせて紹介しています。
関連記事:看護師の転職の志望動機の書き方|職場別の例文と履歴書・面接で伝えるコツ
一般企業への転職を考えている人は、応募書類の書き直し方についてこちらの記事も参考になるでしょう。
関連記事:看護師から一般企業へ転職するには|仕事の種類・求人の探し方・後悔しない進め方
提出前のチェックリスト
- ☐ A4用紙1〜2枚に収まっている
- ☐ 履歴書と入職・退職の年月、職場名が一致している
- ☐ 日付が提出日になっている
- ☐ 病院の中だけで通じる略語を使っていない
- ☐ 数字を入れて、経験を具体的に書いている
- ☐ 自己PRが応募先の仕事につながっている
- ☐ 誤字・脱字がない(声に出して読むと見つけやすい)
- ☐ 患者さんの個人情報や、前の職場の内部情報を書いていない
書き終えたら、一度時間をおいてから読み返すと、わかりにくい部分に気づきやすくなります。
よくある質問
Q. 看護師の職務経歴書は手書きとパソコン、どちらがいいですか? A. どちらでも問題はありませんが、パソコンで作るのが一般的です。読みやすく、応募先に合わせて修正しやすい点もメリットです。応募先から指定がある場合は、それに従いましょう。
Q. 職務経歴書はスマホで作れますか? A. 作れます。スマホのWordやGoogleドキュメントのアプリを使えば、テンプレートをもとに作成し、PDFにして保存することも可能です。ただし、画面が小さいと全体のレイアウトを確認しにくいため、完成したら印刷イメージを確かめておきましょう。
Q. 職務経歴書は何枚にまとめればいいですか? A. A4用紙1〜2枚が目安です。経験が長い人でも、応募先に関係の深い内容にしぼって2枚程度に収めましょう。
Q. 新人で経験が浅くても書くことはありますか? A. あります。短い期間でも、配属先や担当した業務、学んだことを具体的に書きましょう。経験の長さより、何を身につけたか、それをどう活かしたいかが伝わることが大切です。
関連記事:新人看護師が辞めたいと思ったら|1年目のつらさの理由と辞める前に考えること・相談先
Q. 職務経歴書に退職理由は書くべきですか? A. 基本的には書かなくてかまいません。書く場合は「一身上の都合により退職」などで十分です。詳しい理由は面接で聞かれたときに、前向きな言葉で説明できるようにしておきましょう。
まとめ
- 職務経歴書は、これまでの仕事の中身と強みを伝える書類
- タイトル・職務要約・職務経歴・活かせる経験・免許・自己PRの6項目で構成する
- 病床数や経験年数など、数字を入れると具体的に伝わる
- 応募先に合わせて、目立たせる経験や言葉を選び直す
- 提出前に、履歴書との食い違いや個人情報の記載がないかを確認する
職務経歴書は、これまでの看護師としての歩みを見直すきっかけにもなります。自分の経験を言葉にしておくと、面接での受け答えにも自信が持てるはずです。
