「看護師を辞めて、一般企業で働いてみたい」 「でも、看護師の経験しかない自分を採用してくれる企業はあるのかな」
そんなふうに迷っていませんか。
わたしは新卒から約14年、同じ病院で看護師として働き、2025年1月に一般企業へ転職しました。今はフルリモートで、SEOコンサルタントとして働いています。
この記事では、看護師から一般企業への転職を考えている人に向けて、どんな仕事があるのか、求人をどう探すのか、どう進めれば後悔しにくいのかをまとめました。
先に結論を書くと、看護師が一般企業で働く道は、大きく3つあります。
- 看護師として企業で働く(健康管理室・医務室など)
- 看護師の資格や経験を活かせる職種に就く(治験、医療機器、医療系の営業など)
- 看護師とは関係のない職種に就く(事務、Web、IT など)
どれを選ぶかで、求人の探し方も、職務経歴書でアピールすることも変わります。
看護師から一般企業への転職はできる?
結論から言うと、看護師から一般企業への転職はできます。わたし自身がその一人です。
ただし、病院から病院への転職とは勝手が違います。
- 看護師の求人に比べて、一般企業の求人は職種がとても幅広い
- 応募書類や面接で、病院とは違う伝え方が必要になる
- 未経験の職種では、看護師の経験だけで採用が決まるとは限らない
「とにかく病院を出たい」だけで動くと、職種選びで迷いやすくなります。まずは、自分がどの道に進みたいのかを決めるところから始めましょう。
看護師が一般企業で働く3つの道
1. 看護師として企業で働く
一般企業の中にも、看護師として働ける職場があります。
| 仕事 | 主な業務 |
|---|---|
| 企業の健康管理室・医務室 | 社員の健康管理、健康診断の事後フォロー、けが・体調不良の対応、健康相談 |
| 産業看護師 | 産業医と連携した社員の健康支援、メンタルヘルス対策の支援 |
夜勤がなく、土日休みの職場が多いのが特徴です。一方で、一つの企業で採用される人数が少ないため、求人の数は多くありません。看護師の経験に加えて、パソコンでの事務作業や、社員とのコミュニケーション力を求められることもあります。
2. 看護師の資格・経験を活かせる職種
医療の知識を活かして、医療系の企業で働く道です。看護師から一般企業を目指す人に人気のある職種を挙げます。
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 治験コーディネーター(CRC) | 医療機関で、治験に参加する患者さんの対応やスケジュール管理、データ整理を支援する |
| 臨床開発モニター(CRA) | 製薬会社などの立場で、治験が計画どおり進んでいるかを確認する |
| クリニカルスペシャリスト | 医療機器メーカーで、医療現場への製品の説明や使い方の支援を行う |
| 医療系の営業職 | 医療機関に、医薬品・医療機器・サービスを提案する |
| 医療系のライター・Web関連 | 医療・看護の知識を活かして、記事やWebコンテンツをつくる |
どの職種も、現場で患者さんと向き合ってきた経験や、医療用語の知識が強みになります。
3. 看護師とは関係のない職種
事務職、Webマーケティング、IT など、医療とは関係のない職種に移る道もあります。わたしもこのパターンです。
未経験の職種では、看護師の経験そのものより、「仕事の進め方」が評価されることが多いです。たとえば次のような力です。
- 患者さんの状態を観察して、何が起きているかを判断する力(アセスメント)
- 時間を逆算して、複数の業務を同時に進める段取りの力
- 医師、患者さん、家族など、立場の違う人と調整する力
わたしの場合、アセスメントの考え方は企業の課題を分析する仕事に、段取りの力はプロジェクトを進める仕事に、そのまま役立っています。
一般企業で働くメリット・デメリット
メリット
- 夜勤がなくなり、生活リズムが整いやすい
- 土日休み・カレンダーどおりの勤務の職場が多い
- 人の命を直接預かるプレッシャーから離れられる
- 新しい知識やスキルを身につけられる
- 職種によっては、リモートワークなど柔軟な働き方ができる
わたしは今フルリモートで働いています。子どもが体調を崩したときや、小学生になって帰宅が早くなった時間に家にいられるのは、いちばん良かった点です。
デメリット
- 未経験の職種では、最初は給料が下がることもある
- パソコン作業や社内のルールなど、覚えることが多い
- 「患者さんから直接感謝される」というやりがいは感じにくくなる
- 職種によっては、成果や数字で評価される
年収は、職種や企業によって大きく変わります。看護師の夜勤手当がなくなる分、下がるケースもあれば、上がるケースもあります。わたしの場合は、看護師時代と比べて年収が約50万円上がりましたが、誰にでも当てはまるわけではありません。応募する前に、求人票の給与条件をよく確認してください。
リモートワークには悩みもあります。わたしは、仕事とプライベートのオン・オフを切り替えるのがむずかしいと感じています。
一般企業の求人の探し方
看護師資格を活かす求人を探すなら
企業の健康管理室や医務室、治験コーディネーターなど、看護師資格を活かせる求人は、看護師専門の転職サービスでも扱っています。一般企業の看護師求人は数が少ないので、条件を伝えて担当者に探してもらうほうが見つけやすいです。
未経験の職種に挑戦するなら
事務、Web、IT など、看護師と関係のない職種は、一般の転職サイトや転職エージェントで探します。未経験から採用されやすい業界や職種を、担当者に相談しながら絞り込むのがおすすめです。
副業や業務委託から始める
わたしは、転職サイトやエージェントを使わずに転職しました。看護師(常勤)を続けながら、2017年ごろから副業でブログやライターの仕事を始め、2022年4月にライターとして今の会社と業務委託の契約をしました。そこでディレクターやコンサルの仕事も任せてもらい、2025年1月に正社員として入社しています。
辞める前に、一般企業の仕事が自分に合うかを試せたのは大きかったです。ただ、本業と育児をしながらの副業だったので、朝4時ごろに起きて時間を作っていました。最初は失敗ばかりで、半端な気持ちでは続かないと感じています。
関連記事:看護師を辞めて違う仕事へ|14年勤めた元看護師がリモートワークの会社員になるまで【体験談】
関連記事:看護師におすすめの副業|資格を活かす仕事・在宅でできる仕事と始める前の注意点
応募書類・面接で気をつけること
職務経歴書は「一般企業向け」に書き直す
看護師の職務経歴書は、配属先の診療科や経験した処置を並べることが多いです。一般企業に応募するときは、それだけでは伝わりません。
- 看護の専門用語は、一般の人にも分かる言葉に言い換える
- 「どんな状況で、何をして、どうなったか」を具体的に書く
- 応募する職種に関係のある経験(調整、指導、改善の取り組みなど)を前に出す
志望動機と転職理由は前向きに
「夜勤がつらい」「人間関係に疲れた」が本音でも、それだけを伝えると「入社しても同じ理由で辞めるのでは」と心配されがちです。「次にどんな仕事をしたいのか」「看護師の経験をどう活かしたいのか」を中心に話しましょう。
面接は病院とは別物と考える
一般企業の面接では、「なぜ看護師を辞めるのか」「なぜこの職種なのか」を必ずと言っていいほど聞かれます。病院の面接以上に、自分のキャリアの考え方を言葉にしておく必要があります。
一般企業で活躍しやすい看護師の特徴
一般企業では、病院とは評価のされ方が変わります。次のような人は、看護師の経験を活かして活躍しやすい傾向があります。
- 新しいことを学ぶのが苦にならない人:パソコンの操作、社内のツール、業界の知識など、入社後に覚えることは多いです
- 自分で考えて動ける人:病院のようにマニュアルや手順が細かく決まっていない職場もあります
- 段取りや調整が得意な人:複数の仕事を同時に進め、関係する人と調整する場面は、一般企業でもたくさんあります
- 変化を楽しめる人:働く環境、人間関係、仕事の進め方が大きく変わることを前向きに受け止められる人です
逆に、「患者さんのそばで看護をしたい」という気持ちが強い人は、一般企業に移ってから物足りなさを感じるかもしれません。
「夜勤から離れたい」だけなら、一般企業以外の選択肢も
一般企業を考える理由が「夜勤がつらい」「体力的にきつい」だけなら、看護師のまま働く場所を変える方法もあります。
| 職場 | 特徴 |
|---|---|
| クリニック | 日勤のみの求人が多い。外来中心で、地域の患者さんと長く関われる |
| 健診センター | 健康診断が中心で、夜勤や急変対応がほとんどない |
| デイサービス | 日中の利用者さんの健康管理が中心 |
ナースとして積み上げてきた経験をそのまま活かせるので、収入や仕事内容が大きく変わる不安が少ないのが利点です。わたしも辞めるまでは、「看護師として夜勤のない職場に移り、ライターは副業で続ける」を第一候補に考えていました。
一般企業か、看護師として職場を変えるか。どちらが自分にとって安心して長く働ける道なのかを、比べてみてください。
関連記事:看護師が夜勤なしで働くと年収はどう変わる?夜勤手当の差と日勤のみの職場
看護師から一般企業に転職して後悔しないために
一般企業への転職で後悔しやすいのは、「思っていた仕事と違った」というケースです。後悔を減らすために、次の3つを確認しておきましょう。
- 辞めたい理由は「看護の仕事」か「今の職場」か:職場が理由なら、看護師のまま夜勤のない職場に移るほうが合う人もいます
- 一般企業で何をしたいか:職種の希望が決まっていないと、求人選びで迷い続けることになります
- 収入が変わっても生活できるか:未経験の職種では、最初の年収が下がる可能性も考えておきましょう
わたし自身は、看護師を辞めたことに後悔はありません。新卒から一つの病院しか知らなかったので、外に出て初めて、自分がどれだけ世間知らずだったかに気づけました。
辞めるかどうかで迷っているなら、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:看護師を辞めたい人へ|14年働いた元看護師が「続ける・辞める」の判断軸を解説
関連記事:看護師に向いてないと感じたら|「仕事」か「職場」かを見分けて次の一手を決める
よくある質問
Q. 看護師と一般企業、どっちがいいですか? A. どちらが正解ということはありません。看護の仕事そのものが好きなら、看護師を続けて職場を変えるほうが合うこともあります。看護の仕事から離れたい、新しいスキルを身につけたいなら、一般企業が選択肢になります。
Q. 新卒で看護師にならず、一般企業に就職することはできますか? A. できます。ただ、看護師としての臨床経験がないと、看護師資格を活かす職種では応募条件を満たさないこともあります。応募する職種の条件を確認しましょう。
Q. 一般企業に転職するとき、退職はいつ伝えればいいですか? A. 就業規則を確認したうえで、退職希望日の2〜3か月前には師長に相談するのが現実的です。わたしは2024年4月に伝えて、12月に退職しました。退職の進め方は「看護師の退職届の書き方」にまとめています。
まとめ
- 看護師が一般企業で働く道は、「看護師として企業で働く」「資格・経験を活かす職種」「関係のない職種」の3つ
- 一般企業は職種が幅広いので、まず自分がどの道に進みたいかを決める
- 求人の探し方は、資格を活かすなら看護師専門の転職サービス、未経験の職種なら一般の転職サイト・エージェント、副業から始める道もある
- 職務経歴書と面接は、病院向けではなく一般企業向けに準備する
看護師の経験は、病院の外でも活かせます。焦らず、自分に合う働き方を選んでください。
