「夜勤や立ち仕事を続けるのがつらい。家でできる仕事はないかな」 「子どもが小さいうちは、自宅で働けたら助かるのに」
そう思って、看護師が在宅でできる仕事を調べていませんか。
わたしは約14年、同じ病院で看護師として働きました。常勤のまま副業でライターの仕事を始め、今はWeb関連の会社でフルリモートで働いています。
この記事では、看護師が在宅でできる仕事を「看護師資格や経験を活かす仕事」と「資格を使わない仕事」に分けて紹介します。あわせて、仕事を選ぶときの考え方、始め方、注意点もまとめました。
先に結論をお伝えすると、在宅の仕事はいきなり転職するより、副業や業務委託で試してから広げるほうが、失敗が少なくなります。わたし自身も、副業から少しずつ働き方を変えてきました。
看護師が在宅でできる仕事は大きく2種類
看護師が在宅でできる仕事(在宅ワーク)は、具体的には大きく次の2つに分けられます。
| 種類 | 主な仕事 | 特徴 |
|---|---|---|
| 看護師資格や経験を活かす仕事 | オンライン健康相談、医療系コールセンター、医療ライター・監修、保健指導、eラーニング教材の作成など | 医療の知識がそのまま強みになる。資格が応募条件になっている求人もある |
| 資格を使わない仕事 | データ入力、Webライター、SNS運用、オンライン秘書、Webデザイン、動画編集など | 未経験から始められる案件も多い。パソコンのスキルを新たに学ぶ必要がある |
また、働き方にも2つの形があります。
- 企業に雇われて在宅勤務する:正社員・契約社員・パートとして、自宅で働く。勤務時間が決まっていて、収入が安定しやすい
- 個人で案件を受ける:業務委託やクラウドソーシングで、仕事を1件ずつ受ける。時間の自由がきく一方、収入は案件次第
どちらが合うかは、今の働き方を続けながら試したいのか、看護師の仕事を辞めて移りたいのかで変わります。この点は後半で詳しく説明します。
看護師資格や経験を活かして在宅でできる仕事
まずは、看護師としての知識や臨床経験が活きる在宅の仕事です。医療の現場で身につけたアセスメント力(患者さんの状態から何が起きているかを判断する力)や、患者さんと話す力が評価されやすい分野です。
オンライン健康相談・チャット相談
電話やチャット、ビデオ通話で、利用者からの健康や子育ての相談に答える仕事です。オンライン診療のサービスを提供する企業や、健康相談サービスの運営会社で募集があります。
症状を聞き取り、緊急性を判断して、受診をすすめるかどうかを伝えるのが主な業務です。病棟や外来での問診やトリアージの経験がそのまま活きます。シフト制のことが多く、夜間の対応がある職場もあるので、勤務時間の条件は応募前に確認しましょう。
医療系コールセンター(在宅オペレーター)
医療機関や企業の窓口として、電話で健康相談や問い合わせに対応する仕事です。もともとはオフィスで働くことが多い仕事ですが、在宅勤務ができる求人も出ています。
マニュアルに沿って対応する場面が多いので、在宅で働くのが初めての人でも始めやすい仕事のひとつです。
医療ライター・記事の監修
医療や看護、健康に関する記事を書く仕事です。看護師としての経験があると、専門的な内容を正確に書けるのが強みになります。看護師資格を持つ人が、ほかのライターが書いた記事の内容をチェックする「監修」の仕事もあります。
わたしが在宅の仕事を始めたのも、このライターの仕事からでした。体験は後ほど詳しくお話しします。
保健指導
健康診断の結果をもとに、生活習慣の改善について相談に乗り、アドバイスをする仕事です。オンラインでの面談に対応している企業もあります。
特定保健指導(メタボリックシンドロームに着目した保健指導)などは、実施できる職種や経験に条件があります。応募する前に、求人の応募条件と、厚生労働省などの公式情報をあわせて確認しましょう。
看護師向けeラーニング教材の作成・オンライン講師
看護師や看護学生向けの学習教材をつくったり、オンラインで講義をしたりする仕事です。新人指導やプリセプターの経験がある人は、教える経験を活かせます。
医療機関・訪問看護の事務代行や記録の入力
医療機関や訪問看護ステーションの事務作業を、在宅で代行する仕事です。書類の作成やデータ入力が中心ですが、医療用語や現場の流れが分かることが強みになります。
看護師資格を使わずに在宅でできる仕事
次は、看護師資格がなくてもできる在宅の仕事です。医療の知識は直接使いませんが、看護師として身につけた力が活きる場面はあります。
| 仕事 | 仕事内容 | 看護師の経験が活きるところ |
|---|---|---|
| データ入力 | 決められた形式で、データを入力・整理する | 記録を正確に書く習慣 |
| Webライター(医療以外) | 企業のサイトやブログの記事を書く | 分かりやすく説明する力 |
| SNS運用 | 企業のSNSアカウントの投稿の作成や管理を担当する | 相手の気持ちを考える力 |
| オンライン秘書 | スケジュール管理、メール対応などの事務をオンラインで行う | 段取り力、マルチタスク |
| Webデザイン・動画編集 | サイトのデザインや、動画の編集をする | 細かい確認作業(スキルは新たに学ぶ) |
データ入力やアンケートモニターのように、未経験でもすぐ始められる仕事は人気がありますが、時給や単価は低めのことが多いです。一方、Webデザインや動画編集は学ぶ時間がかかりますが、スキルが身につくと案件の幅が広がります。
わたしの経験では、看護師の仕事で身についた段取り力(時間を逆算して効率よく動く力)は、在宅の仕事でもとても役に立っています。今の仕事でも、段取りの力をほめてもらうことがあります。
看護師が在宅で働くメリット・デメリット
在宅で働くことには、よい面もそうでない面もあります。始める前に両方を知っておきましょう。
メリット
- 体力の負担が減る:夜勤や立ち仕事がなく、移動時間もかからない
- 子育てや介護と両立しやすい:家にいる時間が増える
- 通勤がないぶん、使える時間が増える
- 看護師以外のスキルが身につく:パソコンやWebの知識が、次のキャリアの選択肢を広げる
わたしがフルリモートで働いていちばんよかったのは、子どもが体調を崩したときや、小学生になって帰りが早くなった時間に、家にいてあげられることです。
デメリット
- 収入が安定するまで時間がかかることがある:特に個人で案件を受ける場合
- 新しいスキルの勉強が必要になる:パソコンの操作、チャットやオンライン会議のツールなど
- 看護師としての臨床からは離れる:資格を使わない仕事を長く続けると、現場に戻るときに不安を感じやすい
- 仕事とプライベートの切り替えが難しい
最後の点は、わたしも今まさに感じている悩みです。家にいても仕事中なので、子どもを常に見てあげられるわけではありません。「在宅なら育児をしながら働ける」と考えすぎないほうが、ギャップが少なくて済みます。
わたしが看護師をしながら在宅の仕事を始めた体験
ここからは、わたしが在宅で働くようになるまでの流れをお話しします。
きっかけは「在宅の副業」ブームだった
2016年に第1子を出産してから、子育てと夜勤の両立に悩むようになりました。夜勤免除を申請することはできましたが、周りへの引け目を強く感じていました。
コロナ前、「看護師をしながら在宅でも働く」という副業が話題になっていて、わたしもその流れに乗りました。2017年ごろにブログとInstagramを始め、クラウドワークス(企業と個人をつなぐクラウドソーシングサイト)で仕事を受けるようになりました。
最初は失敗ばかり。朝4時に起きて時間をつくった
最初は失敗ばかりでした。いろいろな副業を調べるうちにライターの仕事に出会い、少しずつ軌道に乗っていきました。
この間も、看護師は常勤のままでした。育児と本業を両立しながら副業や勉強の時間をつくるために、朝4時ごろに起きていました。正直に言うと、半端な気持ちでは続かないと思います。「楽して稼ごう」という気持ちで始めるのは、おすすめしません。
業務委託から、正社員のフルリモート勤務へ
2022年4月には、ライターとして今の会社と業務委託で関わり始めました。その後、Web関連の仕事の幅を広げる経験をさせてもらい、2024年12月に病院を退職。2025年1月から、同じ会社に正社員として入社しました。
今はフルリモートで働いていて、出張は年に1〜2回ほどです。看護師時代と比べて、年収は約50万円上がりました。ただ、これはわたしのケースで、在宅の仕事に移れば収入が上がるとは限りません。
関連記事:看護師を辞めて違う仕事へ|14年勤めた元看護師がリモートワークの会社員になるまで【体験談】
在宅の仕事は副業から試す?転職する?選び方の考え方
看護師が在宅でできる仕事を始めるとき、迷いやすいのが「副業から始めるか、いきなり転職するか」です。
| 進め方 | 向いている人 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 副業で試す | 看護師を続けながら、自分に合うか確かめたい人 | 職場の就業規則、確定申告、体力の配分 |
| 在宅勤務の求人に転職する | すでに在宅で働きたい理由がはっきりしている人 | 収入、勤務時間、雇用形態の条件 |
| 看護師のパートと組み合わせる | 収入の安定と、在宅の仕事の両方がほしい人 | スケジュールの管理 |
副業で試してから移るほうが、失敗は少なくなります。実際にやってみると、思っていた仕事と違ったり、自分には向いていないと感じたりすることもあるからです。副業として小さく始めれば、合わなかったときに看護師の仕事に影響を出さずにやめられます。
一方で、心身の不調で今の働き方を続けるのがつらい場合は、副業を足すより、まず休むことを優先してください。体調がすぐれないときは、医療機関を受診しましょう。
副業を始める前の注意点(就業規則、公務員の制限、確定申告)は、こちらの記事でまとめています。
関連記事:看護師におすすめの副業|資格を活かす仕事・在宅でできる仕事と始める前の注意点
在宅でできる仕事の探し方
在宅でできる仕事の探し方は、主に次の3つです。
1. クラウドソーシングサイトで案件を探す
クラウドソーシングサイトでは、ライターやデータ入力など、1件単位の案件を探せます。単発の仕事も多いので、副業として試すのに向いています。最初は単価の低い案件から始めて、実績を積んでいくのが一般的です。
2. 求人サイトで「在宅」「リモート」の条件で探す
企業に雇われて在宅勤務したい場合は、求人サイトで「在宅勤務」「リモート」「フルリモート」などの条件で絞り込んで探します。看護師資格を応募条件にしている求人もあります。
「在宅可」と書かれていても、研修中は出社が必要だったり、週に何日かは出社が必要だったりすることがあります。勤務の条件は、応募前によく確認しましょう。
3. 看護師の転職サービスで相談する
看護師資格を活かす在宅の仕事を探すなら、看護師向けの転職サービスで、在宅やリモートの求人がないか聞いてみる方法もあります。
なお、わたしは転職サイトやエージェントを使っていません。副業で先に実績を作ることが難しい人や、早く働き方を変えたい人は、専門家の力を借りるのもひとつの方法です。
関連記事:看護師の転職サイトは使わない方がいい?言われる理由と仕組み・上手な使い方
始める前に確認したいこと・注意点
必要なスキルと環境
在宅の仕事には、パソコンとインターネットの環境が欠かせません。メールやチャット、オンライン会議のツールを使う場面も多いです。健康相談のように個人情報を扱う仕事では、周りに声が聞こえない場所など、仕事をする環境の条件が決められていることもあります。
「簡単に稼げる」をうたう話に注意する
「スマホだけで簡単に稼げる」「誰でもすぐに高収入」のような話には注意してください。先にお金を払わせる高額な教材やサポートの勧誘もあります。仕事を受ける前に、仕事内容や報酬、相手の会社の情報を確認しましょう。困ったときは、消費生活センターなどの公的な相談窓口に相談できます。
雇用か業務委託かを確認する
企業に雇われる場合と、業務委託で仕事を受ける場合では、収入の受け取り方や、社会保険、確定申告の扱いが変わります。応募するときは、雇用形態を確認しておきましょう。税金のことで分からない点は、税務署などに相談してください。
看護師が在宅でできる仕事に関するよくある質問
臨床経験が浅くても、在宅の仕事はできますか?
データ入力やWebライターのように、臨床経験を問わない在宅の仕事もあります。オンライン健康相談など看護師の経験を活かす仕事は、一定の臨床経験を応募条件にしている求人が多いので、条件をよく確認しましょう。
パソコンが苦手でもできますか?
メールやチャット、文書作成などの基本的な操作は、多くの在宅の仕事で必要になります。苦手な人は、まず副業で簡単な案件に挑戦して、使いながら慣れていく方法があります。
在宅の仕事だけで生活できる収入になりますか?
仕事の種類や働き方によって大きく変わります。企業の在宅勤務の正社員なら収入は安定しやすく、個人で案件を受ける場合は、実績が増えるまで収入が少ないことが多いです。生活費をまかなえるかどうかは、副業の段階で試しながら見極めるのがおすすめです。
看護師に戻ることはできますか?
看護師資格はなくならないので、在宅の仕事をしたあとで看護師に戻ることもできます。わたしも、戻るとしたら副業などで「ちょっとだけ戻る」形がいいなと思うことがあります。
まとめ:在宅の仕事は、小さく試すところから
看護師が在宅でできる仕事には、看護師資格や経験を活かす仕事と、資格を使わない仕事があります。
- 資格を活かすなら:オンライン健康相談、医療系コールセンター、医療ライター・監修、保健指導など
- 資格を使わないなら:データ入力、Webライター、SNS運用、オンライン秘書、Webデザインなど
- 進め方は:副業や業務委託で試してから、転職するかを決めると失敗が少ない
在宅の仕事には、体力の負担が減る、家族との時間がとりやすいといったよさがある一方で、収入やオン・オフの切り替えなどの悩みもあります。
わたしは、悩んでいるなら行動してみてほしいと思っています。行動して後悔することもありますが、残っても後悔することはあります。まずは小さな一歩から、自分に合う働き方を探してみてください。
看護師以外の仕事全体を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。