「看護師を辞めてよかったと思えるのかな」 「辞めたあとに後悔したらどうしよう」
辞めたい気持ちはあっても、辞めたあとのことが見えないと、なかなか一歩を踏み出せませんよね。
わたしは新卒から約14年、同じ病院で看護師として働き、2024年12月に退職しました。今は一般企業で、フルリモートで働いています。
この記事では、看護師を辞めてよかったと感じやすいこと、反対に後悔しやすいこと、そして「看護師に戻りたい」と思ったときの考え方を、わたしの振り返りも交えてまとめました。
先に結論を書くと、わたしは看護師を辞めてよかったと思っていて、後悔はまったくありません。ただ、辞めてよかったと思えるかどうかは、辞めた理由と、辞めたあとの働き方しだいです。良い面と注意したい面の両方を知ったうえで、判断の材料にしてください。
辞めるかどうかをまだ迷っている段階なら、先にこちらの記事で判断軸を整理しておくのがおすすめです。
関連記事:看護師を辞めたい人へ|14年働いた元看護師が「続ける・辞める」の判断軸を解説
看護師を辞めるのは珍しいことではない
日本看護協会の調査では、2024年度に病院を辞めた正規雇用の看護職員は11.0%でした。新卒採用の看護職員は8.4%、既卒採用の看護職員は16.1%です。
※出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」(2026年3月公表。労働政策研究・研修機構の紹介記事)
この数字には、別の病院やクリニックに移った人も、看護師以外の仕事に移った人も含まれます。毎年およそ10人に1人が職場を離れていると考えると、「辞める」という選択は特別なことではありません。
大切なのは、辞めることそのものより、辞めたあとに「辞めてよかった」と思える状況をつくれるかです。
看護師を辞めてよかったと感じやすいこと
まずは一般的に、看護師を辞めてよかったと感じやすいポイントを整理します。どれも「辞めた理由」の裏返しになっていることが多いです。
| 辞めてよかったと感じやすいこと | 背景にある悩み |
|---|---|
| 生活リズムが整った | 夜勤や早番・遅番で、睡眠や食事の時間がばらばらだった |
| 休みが予定どおり取れる | 土日や連休が取りにくく、家族や友人と予定を合わせにくかった |
| 精神的な負担が軽くなった | 命を預かる責任、ミスへの緊張感が日々続いていた |
| 人間関係のストレスが減った | 職場の雰囲気や上下関係がつらかった |
| 家族との時間が増えた | 子育てや介護とシフト勤務の両立が難しかった |
| 新しい仕事に興味を持てた | 看護以外の分野も試してみたかった |
病棟看護師を辞めてよかったと感じる人が多い理由
とくに病棟勤務から離れた人は、夜勤や残業がなくなることで「体が楽になった」と感じやすいようです。病棟は24時間の看護体制なので、交代制の勤務が前提になります。
一方で、病棟を辞めても看護師は続けるという選択もあります。クリニックや健診センターなど、日勤中心で働ける職場に移るだけで、悩みが解決する人もいます。日勤のみの働き方と年収の関係は、こちらにまとめています。
関連記事:看護師が夜勤なしで働くと年収はどう変わる?夜勤手当の差と日勤のみの職場
わたしが看護師を辞めてよかったと思うこと
ここからは、わたし自身の振り返りです。辞めてよかったと思うことは、大きく3つあります。
1. 「世間知らずだった」と気づけた
いちばん大きいのは、これです。
わたしは新卒から辞めるまで、1つの病院しか知りませんでした。そこが自分にとっての全てでした。病院の外で働くようになって、自分がどれだけ世間知らずだったかに気づけたことが、看護師を辞めてよかったと思う一番の理由です。
外に出てみると、看護師として身につけた力が、別の形で役立つことも分かりました。
- 患者さんの状態をアセスメントする考え方は、企業の課題分析に似ている
- 時間を逆算して動く段取りの力は、プロジェクトを進める力として褒められることがある
病院の中にいたときは当たり前だと思っていたことが、外では強みになる。これは、辞めてみて初めて分かったことです。
2. 年収が約50万円上がった
今は一般企業で、SEOコンサルタントやプロジェクトのリードとして働いています。看護師時代と比べて、年収は約50万円上がりました。
ただ、これはわたしの場合です。未経験の職種に移ると、最初は給料が下がることも珍しくありません。わたしは看護師を続けながら副業でライターの経験を積み、その会社でディレクターやコンサルの仕事も任せてもらってから転職しました。いきなり未経験で入ったわけではないので、そこは分けて考えてください。
3. 子どもが体調を崩したときに、家にいられる
わたしには男の子が3人います。フルリモートで働けるようになっていちばん良かったのは、子どもが体調を崩したときや、小学生になって帰りが早くなった時間に、家にいてあげられることです。
看護師時代は、出産後に夜勤免除を申請したり、船乗りの夫が家にいる期間に夜勤を入れたりして調整していました。夜勤免除は制度として使えても、周りへの引け目を強く感じていました。
ただ、家にいても仕事中なので、常に子どもを見てあげられるわけではありません。「在宅勤務なら子育てが楽になる」と考えすぎないほうがいいと思っています。
看護師を辞めて後悔しやすいこと
辞めてよかったことがある一方で、辞めたあとに後悔する人もいます。よく挙がるのは次のような点です。
| 後悔しやすいこと | 起きやすい理由 |
|---|---|
| 給料が下がった | 夜勤手当や資格手当がなくなる。未経験の職種は給与が低めから始まることがある |
| 資格のありがたみに気づいた | 看護師は求人が多く、経験を評価してもらいやすい仕事だった |
| やりがいを感じにくくなった | 患者さんから直接感謝される場面がなくなった |
| 一から覚え直すのが大変 | 新しい職種の業務や知識、パソコン作業に慣れるまで時間がかかる |
| 医療の知識・スキルにブランクができた | 臨床から離れる期間が長いほど、復職に不安が出る |
| 結局、同じ悩みを抱えた | 辞めた理由を整理しないまま転職し、次の職場でも人間関係や働き方に悩んだ |
とくに最後の「結局、同じ悩みを抱えた」は、辞める前の整理で防ぎやすい後悔です。辞めたい理由が「看護の仕事」なのか「今の職場」なのかによって、選ぶ道は変わります。
看護師以外の仕事に移るときの不安
看護師以外の仕事に移る場合、「医療の世界しか知らない自分に何ができるのか」という不安を持つ人は多いと思います。わたしも辞めるときは、新しい挑戦へのワクワクが大きかった一方で、「この先大丈夫かな」という不安も少しありました。
一般企業の仕事の種類や、求人の探し方は、こちらの記事で詳しく書いています。
関連記事:看護師から一般企業へ転職するには|仕事の種類・求人の探し方・後悔しない進め方
後悔はないけれど、今感じている悩み
わたしは看護師を辞めたことを、まったく後悔していません。それでも、今の働き方に悩みがないわけではありません。
リモートワークはオン・オフがつけにくい
フルリモートは、仕事とプライベートの切り替えがつけにくいと感じています。
通勤がない分、家で働くと仕事を始める・終える区切りを自分でつくる必要があります。
リモートワークに興味がある人は、「通勤がなくなる」「家にいられる」という良い面だけでなく、こうした面もあることを知っておいてください。
「辞めてよかった」は、辞めた瞬間に決まるものではない
辞めてよかったと思えるかどうかは、辞めた瞬間ではなく、辞めたあとの働き方や日々の過ごし方で変わっていきます。辞めた直後に不安があっても、新しい環境に慣れるうちに見え方が変わることもありますし、その反対もあります。
看護師に「戻りたい」と思うことはある?
正直に書くと、わたしも看護師に戻りたいと思うことは、たまにあります。
ただ、戻るとしても、フルタイムで病院に戻るのではなく、副業などで「ちょっとだけ戻る」形がいいと考えています。
看護師の戻り方は1つではない
看護師に戻る方法は、常勤で病院に戻ることだけではありません。
- パートや非常勤で、週に数日だけ働く
- 健診や予防接種など、単発・短期の仕事をする
- 本業を続けながら、副業として看護の仕事をする(勤め先の就業規則で副業が認められているか、先に確認が必要です)
看護師の資格を活かせる副業については、こちらにまとめています。
関連記事:看護師におすすめの副業|資格を活かす仕事・在宅でできる仕事と始める前の注意点
復職に不安があるときの相談先
ブランクがあって不安な場合は、各都道府県のナースセンターに相談する方法があります。ナースセンターは都道府県看護協会が行っている無料の職業紹介事業で、求人の紹介のほか、再就業支援の研修や施設見学なども行っています。
また、看護師等の免許を持っていて仕事をしていない人には、看護師等の人材確保の促進に関する法律にもとづいて、ナースセンターへの届出が求められています。
※出典:日本看護協会「e-ナースセンター」
看護師を辞めてよかったと思うための準備
辞めたあとに後悔しないために、辞める前に確認しておきたいことをチェックリストにしました。
| チェック項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 辞めたい理由 | 「看護の仕事」が合わないのか、「今の職場」が合わないのか |
| 心と体の状態 | 眠れない、食欲がないなどが続いていないか |
| お金の見通し | 次の収入が入るまでの生活費、給料が下がった場合の家計 |
| 次の働き方 | 勤務時間、休み、通勤、在宅かどうかなどの希望条件 |
| 試せること | 副業や学びで、次の仕事を先に体験できないか |
| 戻り道 | 看護師に戻りたくなったときに、どんな働き方なら戻れそうか |
心身の不調が続いているときは、辞めるかどうかを決める前に、まず休むことを優先してください。心療内科などの医療機関や、職場の産業医に相談する方法もあります。
看護師を続けたまま、職場を変える選択肢もある
辞めたい理由が「今の職場」なら、看護師は続けて職場だけ変えるほうが、辞めてよかったと思える可能性もあります。
ひなたの友人(看護師)は、訪問看護と外来で迷っていました。子育てがあるため、最終的にはオンコールのない病院の外来に決めています。いろいろな職場の話を聞けたことが、すごくポジティブだったと話していました。
同じ看護師でも、職場によって勤務の形や雰囲気は大きく違います。辞めるか続けるかを決める前に、看護師のまま働ける職場の選択肢も調べておくと安心です。
いきなり辞めずに、先に試す方法もある
わたしは看護師(常勤)を続けながら副業でライターを始め、そこで出会った会社に正社員として入社しました。副業から業務委託、正社員という順で、看護師を辞める前から会社員の仕事を経験していた形です。
ただし、副業は半端な気持ちでは続きません。「楽して稼ごう」と考えて始めるのは、おすすめしません。
辞めるまでの流れは、体験談の記事に詳しく書いています。
関連記事:看護師を辞めて違う仕事へ|14年勤めた元看護師がリモートワークの会社員になるまで【体験談】
よくある質問
Q. 看護師を辞めて良かったと答える人はどんな人ですか? A. 辞めた理由がはっきりしていて、辞めたあとの働き方でその悩みが解決した人は、辞めてよかったと感じやすい傾向があります。たとえば、夜勤がつらくて日勤の仕事に移った人や、子育てとの両立のために働き方を変えた人です。
Q. 看護師を辞めたことを後悔したら、戻れますか? A. 看護師に戻る道はあります。ナースセンターでは、免許を持っていて仕事をしていない人に向けて、再就業支援の研修や求人の紹介を行っています。ブランクが長い場合は、パートや短時間の勤務から始める方法もあります。
Q. 看護師を辞めると、給料は下がりますか? A. 移る先によります。夜勤手当がなくなったり、未経験の職種で一から始めたりすると、下がることがあります。わたしは年収が約50万円上がりましたが、看護師を続けながら副業で経験を積んでから転職したケースです。
Q. 辞めてよかったか分からないまま、迷い続けています。 A. わたしも辞めるまで、7〜8年ひとりで悩みました。今振り返ると、あの期間も必要な時間だったと思っています。ただ、行動して後悔することもあれば、今の場所に残って後悔することもあります。迷っているなら、副業や情報収集など、小さな行動から始めてみてください。
まとめ:選んだ道を「辞めてよかった」にしていく
- 看護師を辞めてよかったと感じやすいのは、生活リズム・休み・精神的な負担・家族との時間など、辞めた理由が解決したとき
- 後悔しやすいのは、給料が下がった、資格のありがたみに気づいた、結局同じ悩みを抱えた、というとき
- わたしが辞めてよかったと思う一番の理由は、1つの病院しか知らず「世間知らずだった」と気づけたこと
- フルリモートで子どもの体調不良時に家にいられる一方、オン・オフの切り替えには今も悩んでいる
- 看護師に戻りたいと思うことはたまにある。戻り方は常勤だけでなく、パートや副業など「少しだけ戻る」形もある
悩んでいるなら、まずは小さくても行動してみてください。どちらを選んでも、自分が選んだ道を正解にするつもりで進めば、「辞めてよかった」と思える日に近づいていけるはずです。
