「夜勤も通勤もない、在宅でできる仕事はないかな」 「看護師の資格や経験を活かして、家で働ける方法を知りたい」
子育てや体力のことを考えて、こんなふうに思ったことはありませんか。
わたしは新卒から約14年、病院で看護師として働いたあと、今は一般企業の会社員としてフルリモートで働いています。在宅で働くまでには、副業から始めて数年かかりました。
この記事では、その経験もふまえて、看護師の在宅ワークについて次のことをまとめます。
- 看護師が在宅で働く3つの形(雇用・業務委託・副業)
- 看護師の資格・経験を活かせる在宅ワーク
- 看護師資格を使わない在宅ワーク
- 在宅ワークのメリット・デメリットと、始め方
- 怪しい在宅ワークに巻き込まれないための注意点
先にお伝えしておくと、看護師の資格だけで、すぐに完全在宅の仕事が見つかるとは限りません。だからこそ、どんな仕事があり、どう準備すればいいかを知っておくことが大切です。
看護師の在宅ワークは「働き方の形」から考える
「在宅ワーク」といっても、雇われて自宅で働くのか、仕事を請け負うのかで、収入の安定性や守られる範囲が大きく変わります。まずは、どの形で在宅ワークをしたいのかを整理しましょう。
| 働き方 | どんな形か | 特徴 |
|---|---|---|
| 雇用されて在宅勤務 | 会社に正社員・契約社員・パート・派遣として雇われ、自宅で働く | 給与が安定しやすく、社会保険などの対象になる。完全在宅の求人は限られ、研修中や週数日は出社という条件も多い |
| 業務委託・フリーランス | 会社や個人から仕事を請け負い、成果物や作業に対して報酬を受け取る | 時間や場所を選びやすい一方で、収入は仕事量しだい。確定申告や保険の手続きも自分で行う |
| 看護師を続けながら副業 | 本業の看護師を続けながら、空いた時間に在宅の仕事をする | 収入の柱を保ったまま試せる。勤務先の就業規則で副業が認められているかの確認が必要 |
いきなり本業を在宅に切り替えるのはハードルが高いため、わたしのように副業で在宅の仕事を試してから、働き方を移していく人もいます。
関連記事:看護師におすすめの副業|資格を活かす仕事・在宅でできる仕事と始める前の注意点
看護師の資格・経験を活かせる在宅ワーク
看護師の知識や経験がそのまま強みになる在宅ワークには、次のようなものがあります。求人の数や条件は時期によって変わるため、あくまで代表的な例として見てください。
| 仕事 | 主な内容 | 働き方の例 |
|---|---|---|
| 電話・オンラインの健康相談 | 健康相談ダイヤルや医療相談アプリなどで、体調や受診の目安についての相談に答える | 雇用(在宅勤務・一部出社)、派遣 |
| オンライン診療・医療サービスのサポート | オンライン診療や医療系アプリで、問診の確認や患者さんへの案内などを行う | 雇用(在宅勤務・一部出社) |
| 訪問看護の夜間電話対応の代行 | 訪問看護ステーションに代わって、夜間の利用者さんからの電話に対応する | 雇用、業務委託 |
| 医療系ライター・記事監修 | 医療・看護・健康に関する記事を書いたり、内容が正しいかを確認したりする | 業務委託、副業 |
| 看護師向けのキャリアアドバイザー | 看護師の転職相談に乗り、求人を紹介する | 雇用(在宅勤務の求人もある) |
| 医薬品の安全性情報業務 | 医薬品の副作用などの情報を整理・評価する | 雇用(在宅勤務あり、経験を求められることが多い) |
どの仕事でも、看護師は医師に代わって診断することはできません。健康相談などでは、相談内容から受診の必要性を判断し、適切な医療機関につなぐことが中心になります。
また、「完全在宅」とあっても、最初の研修は出社が必要だったり、夜間やシフト勤務があったりする求人もあります。応募前に勤務条件をよく確認しましょう。
看護師資格を使わない在宅ワーク
看護師資格を直接使わない仕事にも、看護師の経験を活かせるものがあります。未経験からのスタートになることが多いので、最初は収入が下がる可能性も考えておきましょう。
| 仕事 | 看護師の経験が活きるところ |
|---|---|
| Webライター | 現場の経験や専門知識を、わかりやすく伝える力 |
| Webマーケティング・SEO | 情報を集めて分析し、課題を見つける力(アセスメント力) |
| 事務・データ入力 | 記録を正確に残す習慣、ミスを防ぐ確認の習慣 |
| カスタマーサポート | 相手の話を聞いて、困りごとを整理する力 |
| オンライン秘書・アシスタント | 段取りを組み、複数の仕事を同時に進める力 |
わたしの場合は、副業のWebライターから始めて、今はSEOコンサルタントとして働いています。看護とは違う仕事ですが、看護師時代のアセスメント力は課題分析に、段取り力は仕事を進めるときに役立っています。
関連記事:看護師以外の仕事一覧|資格を活かす仕事・活かさない仕事と選び方
看護師が在宅ワークをするメリット・デメリット
メリット
- 通勤がなく、時間を有効に使える:移動の時間を家事や子育て、勉強にあてられます
- 夜勤や不規則な勤務から離れられる:日中中心の仕事を選べば、生活リズムを整えやすくなります
- 子育てや介護と両立しやすい:家にいながら働けるため、急な用事にも対応しやすくなります
- 住む場所に縛られにくい:全国から応募できる仕事もあります
デメリット
- 完全在宅の求人は多くない:看護師向けの求人全体から見ると、在宅でできる仕事は限られます
- 収入が下がることがある:夜勤手当がなくなるほか、未経験の仕事では最初の収入が低くなりがちです
- 自己管理が必要:仕事とプライベートの区切りを自分でつける必要があります
- 孤独を感じやすい:チャットやオンライン会議が中心になり、雑談の機会が減ります
- 業務委託は保障が少ない:収入が仕事量しだいで、有給休暇や会社の社会保険はありません
「家で働ける」こと自体はとても魅力的ですが、収入や働き方の変化も含めて考えておくと、あとで後悔しにくくなります。夜勤をやめたときの収入の変化は、次の記事でも詳しくまとめています。
関連記事:看護師が夜勤なしで働くと年収はどう変わる?夜勤手当の差と日勤のみの職場
わたしが看護師からフルリモートの仕事に移るまで
参考までに、わたしの経緯を簡単に紹介します。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2017年ごろ | 看護師(常勤)を続けながら、在宅の副業を始める |
| 2022年4月 | 今の会社とライターとして業務委託契約を結ぶ |
| その後 | ライターに加えて、ディレクターやコンサルの仕事も任せてもらえるようになる |
| 2024年12月 | 約14年勤めた病院を退職 |
| 2025年1月 | 今の会社に正社員として入社。フルリモートで働く |
副業を始めたころは失敗も多く、看護師の仕事と両立するために、朝4時ごろに起きて時間を作っていた時期もありました。すぐに在宅の仕事だけで生活できたわけではなく、副業で実績を積みながら、少しずつ仕事を移していった形です。
誰にでも当てはまる道ではありませんが、「いきなり辞めずに、まず在宅の仕事を試してみる」という方法は、看護師から在宅ワークを目指すうえで現実的な選択肢の一つだと感じています。
関連記事:看護師を辞めて違う仕事へ|14年勤めた元看護師がリモートワークの会社員になるまで【体験談】
看護師が在宅ワークを始めるまでの5ステップ
- 目的と働き方を決める:本業を在宅にしたいのか、副業で収入を足したいのか。雇用か業務委託かも考えます
- 自分の経験を棚卸しする:診療科、患者さんへの説明や指導、記録、後輩指導など、活かせる経験を書き出します
- パソコンの基本を身につける:メール、Word・Excel、オンライン会議、チャットツールは、ほとんどの在宅ワークで使います
- 求人を探して比べる:看護師向けの転職サイト、一般向けの転職サイト、派遣会社、クラウドソーシングなど、複数の方法で探します
- 小さく始めて実績を作る:副業や短期の仕事から始めて、続けられるか、自分に合うかを確かめます
求人の探し方として転職サイトを使う場合は、仕組みや注意点を知っておくと、自分のペースで進めやすくなります。
関連記事:看護師の転職サイトは使わない方がいい?言われる理由と仕組み・上手な使い方
怪しい在宅ワークに注意
在宅ワークを探していると、「スマホだけで簡単に稼げる」「1日数分で月◯万円」といった広告を目にすることがあります。国民生活センターは、「簡単に稼げる」とうたう副業について、次のようなトラブルが寄せられているとして注意を呼びかけています。
- 仕事を始めるために、マニュアルの購入を求められる
- 「有料プランに入らないともうからない」と、高額なサポート契約を勧められる
- 契約後に、事業者と連絡が取れなくなる
仕事を始める前にお金を払う必要があるものや、仕事内容や収入の仕組みがはっきり説明されないものには、申し込まないようにしましょう。不安を感じたら、消費者ホットライン「188」に相談できます。
参考:国民生活センター「【20代特に注意!】簡単に稼げるという副業」
業務委託・副業で在宅ワークをするときの注意点
雇用ではなく、業務委託で仕事を受ける場合は、次の点も確認しておきましょう。
- 契約内容を書面で確認する:報酬額、支払日、納期、修正の範囲などをあいまいにしないことが大切です
- 確定申告が必要になることがある:業務委託の収入は、金額によって確定申告が必要になります
- 勤務先の就業規則を確認する:看護師を続けながら副業をする場合、副業が認められているか、届け出が必要かを確認します。自治体が運営する公立病院で働く看護師は地方公務員にあたることが多く、その場合は副業に許可が必要です
厚生労働省は、会社などから仕事を受けて自宅で成果物を作る働き方を「自営型テレワーク」として、仕事を注文する側が守るべきことをガイドラインにまとめています。仕事を受ける側も、内容を知っておくとトラブルを防ぎやすくなります。
参考:厚生労働省 自営型テレワークの総合支援サイト「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」
在宅ワークに向いている看護師・向いていない看護師
向いている人
- 自分でスケジュールを立てて、コツコツ進められる人
- 文章やチャットで、要点をわかりやすく伝えられる人
- パソコン作業や新しいツールを覚えることに抵抗がない人
- わからないことを自分で調べられる人
向いていない人
- 人と直接関わりながら働くことにやりがいを感じる人
- 決められた時間・場所のほうが集中しやすい人
- 看護技術を使い続けたい人
- すぐに今と同じ収入を得たい人
在宅ワークは合わないかも、と感じた人でも、夜勤のない日勤の職場や、企業の健康管理室で働くなど、通勤はあっても負担を減らせる働き方があります。
関連記事:企業看護師とは?仕事内容・年収・なるには|元看護師がメリット・デメリットも解説
よくある質問
Q. 看護師の資格を活かせる在宅ワークはありますか? A. あります。電話やオンラインでの健康相談、オンライン診療のサポート、訪問看護の夜間電話対応の代行、医療系ライターや記事監修などが代表的です。ただし、完全在宅の求人は多くないため、一部出社の求人も含めて探すと選択肢が広がります。
Q. 看護師の経験しかなくても、在宅ワークはできますか? A. できる仕事はあります。健康相談のように看護師の経験がそのまま活かせる仕事のほか、Webライターなどは未経験から始める人もいます。まずはパソコンの基本操作に慣れておくと、応募できる仕事が増えます。
Q. 在宅ワークの収入はどのくらいですか? A. 仕事の種類や働き方によって大きく違います。雇用の場合は時給や月給で決まり、業務委託の場合は仕事量や単価しだいです。夜勤をしていた人は夜勤手当がなくなる分、収入が下がることもあるため、求人ごとの条件を比べて判断しましょう。
Q. 看護師を続けながら、副業で在宅ワークはできますか? A. 勤務先の就業規則で副業が認められていれば可能です。自治体が運営する公立病院の看護師は地方公務員にあたることが多く、その場合は副業に許可が必要です。始める前に必ず確認しましょう。
Q. 子育て中でも在宅ワークはできますか? A. できます。ただし、家にいても子どもを見ながら仕事に集中するのは難しい場面があります。仕事をする時間帯や、保育園などの預け先をどうするかも含めて考えておくと続けやすくなります。
関連記事:看護師が子育てと両立する方法|使える制度と働き方の選び方を元看護師が解説
まとめ
- 看護師の在宅ワークには、雇用されて在宅勤務・業務委託・副業の3つの形がある
- 資格を活かせる仕事には、健康相談、オンライン診療のサポート、夜間電話対応の代行、医療系ライターなどがある
- 完全在宅の求人は多くないため、一部出社の求人や副業も含めて探すのがおすすめ
- 「簡単に稼げる」「始める前にお金が必要」な仕事には注意する
- いきなり辞めずに、副業などで在宅の仕事を試してから移る方法もある
在宅ワークは、看護師が夜勤や通勤から離れて働くための選択肢の一つです。まずは自分がどんな形で働きたいのかを決めて、小さく試すところから始めてみてください。
看護師以外の仕事も含めて、これからの働き方を考えたい人は、次の記事も参考にしてみてください。
